1.《ネタバレ》 白人と先住民の間で揺れ動く主人公。まさに波乱万丈の人生。信じられないような展開もあるが、121歳の老人の回想形式なのでホラ話っぽくもあり、抵抗感を覚えずに受け入れてしまう。先住民を女子供容赦なく皆殺しにする騎兵隊は、よくある西部劇の一方的な視点とは違う。
主人公と親子のような関係になったシャイアンの酋長がいい味を出している。死地を山の頂に求めたシーンが印象的。儀式の踊りと祈りの後、霊験あらたかに天に召されるのかと思いきや、何も起こらない。それでも酋長は慌てず騒がず、放った言葉がふるってる。「魔法は効くときと効かないときがある」
すべてに感謝して受け入れる泰然自若とした生き方が、白人社会へのアンチテーゼとして効いている。
ダスティン・ホフマンは適役で、相変わらずの存在感。