4.《ネタバレ》 「この世界の片隅に」を観た直後だと、どうしてもその影響というかフィルター掛かってしまうので
冷却期間置いてからのレビューとしました。 観たのは2ヶ月前。
ダブルヒロインのストーリー。千年前の時代を妄想してばかりの新子と、傷心して都落ちしてきた令嬢の
友情と成長のお話でした。
背景が昭和30年前後?ノスタルジーな絵が、団塊の世代には嬉しいかも。
大きなイベントは年上の学友の親の事件で、大人の事情への正面衝突。で、新子とタツヨシの成長。
一方、大人の事情に沈没していたキイ子は、逆に子供らしい夢の世界を取り戻して、ある意味成長。
子供たちそれぞれが、様々なルートで大人になって行く1年間のストーリー。
千年前のお姫様は最初は新子に似ていたが、境遇はキイ子に近い。だから新子はキイ子に興味深深。
いろいろとピースの多いパズルのような脚本ですが、1度見たくらいではなかなか拾いきれないかも。
気になったのは、あの警官を褒めていた爺様が、自殺の口コミを聞いた途端に「よくある話だ」と
吐き捨てるセリフには違和感が・・ そんなもんでしょうか?
終盤は駆け足で説明調のエンディングですが、片渕監督らしいなと目尻が下がりました。
ホントは重いラストなのに、軽くさらっと流す、ひょうひょうとした味付けはいつも通り。
カーペンターズの曲で暗転かと思ったら、明るい風景にコトリンゴの美しい曲でのエンドロール。
さすが、エンディングの魔術師。あー良い映画だったなあと思わせる手腕。
でも、自分のようなオッサンには、すこし遠い位置にある映画だと思ってしまう。すみません・・