11.《ネタバレ》 設定、映像、主人公のストーリーなど、総合的には楽しめた。 しかし、肝心の夢の階層の設定が曖昧。設計士がいるのだから、すべての階層は設計士が作ったものが基本になり、設計士の夢を全員が共有するというならわかるが、どうやらそうでもない様子。特に第三階層、そしてその下の階層が、一体誰の夢が基本になっているのか大変わかりずらい。虚無に落ちたロバートを探しに行った先に、なぜ主人公と嫁の作り上げた世界があったり、ケンさんの城があるのかもよくわからない。 ラストシーンについては、これがもし夢オチだとしたら、主人公のストーリーを通して描かれた「結局、現実で生きるしかない」というテーマがまったく無意味になるため、夢オチかもよ?とも匂わせるような引き自体をしたことがナンセンスではないだろうか。 【ブラック武藤】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-13 20:47:20) (良:4票) |
10.映画館で見たときは「うおー、スゲー!」と興奮しながら帰路に向かうんですが、帰りの電車内で「いや待てよ・・・」とだんだん話のアラに感づき始めるという、いい意味でも悪い意味でも詐欺にあったような映画でした。夢業界(そんなもんあるの?)のルールや仕組みがよく分からず、後半に行けば行くほど???が増えて行きます。細かい理屈の整合性はまあいいや(勢いで誤摩化してもまあいいでしょう)。製作陣はそういう点よりも哲学的なテーマに目を向けさせたかったのかなと。じゃあその難しい哲学が映画を見ることですんなり理解できるかっていうと別にそうでもない。小難しいテーマを小難しく語って「答えは皆さんがそれぞれ見つけてください」では無責任すぎる。答えを出す、もしくは考えることは各々必要だけれど、それに至るまでに「小難しい問い」を「すんなりと」理解させる必要があると思う。「答えは皆さんがそれぞれ見つけてください」と制作者が言っていいのはそれができてからだ。 夢の世界のビジュアルを一発で表現した前半はとても良かったんだけどなー。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-04-02 20:21:47) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 ラストシーンは非常に印象的で見る価値ありです。 ただし途中は明らかに中だるみしており、寝そうになりました。 特殊な能力を持った仲間集めを描いた割には仲間の能力が活きる場面が皆無なこと、アクションシーンが退屈なこと、夢を行き来する場面が複雑でわかりにくいことが原因だと思います。 もう少しコンパクトにまとめれば、もっと楽しめると思うのですが。 【アシュ】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-01-02 02:03:49) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 「人の夢に介入して思考の条件付けをおこなう」なんてメインの話はまったく面白いわけでもなんでもなく(つくっている方でもメインのストーリーなんかどうでもよかったんじゃないかという気がする)、サブのストーリーというか、主人公のパーソナルな部分で展開されるストーリーこそが、この作品でもっとも面白い部分に思える。そこにはいくつかのギリシア神話からの引用が垣間見られるわけで、まず主人公の「家族の待つ家に帰りたい」という願望はオデュッセウスの航海をほうふつとさせられ、この作品全体を支配するのはこの「オデュッセウス神話」ということになる。そして、この作品であらわれる「夢」はつまりは「迷路」ということであって、ミノタウロス神話こそがこの「夢の世界への介入」というコンセプトを支える。そしてもうひとつ、おそらくはもっと重要なのが、主人公が過去に「夢」のなかで失なった妻へのオブセッションであって、主人公の夢の世界にひんぱんに混入してくる妻の幻影が主人公の行動を狂わせる。これまたオルフェウス神話からの引用で、オルフェウスは冥界で妻を振り返ってしまうことで妻を永遠に失ってしまうけれど、この作品の主人公においてはこの点はちょっと変更され、夢にあらわれる現実には再会の困難なふたりの子どもの姿の(この子どもたちに再会したいという願望が「家に帰りたい」ということになるのだけれども)、その振り返った顔を見てはならない、という意識になってあらわれている。 このような、メインのストーリーからはみ出した、三つの神話の組み合わせのなかを迷う主人公のストーリーを追うことこそが、この映画を観る楽しさではないかと思ってしまう。しかし、だからすばらしい作品なのかどうかというと、やはりそのあたりは映像と観念とが合致してイマジネーションを豊かにしてくれている印象でもないわけで(映像によるイマジネーションがまるで喚起されないのがこの監督の特徴だと思う)、じつは非常に似通ったプロットなのだといってしまえるタルコフスキーの「惑星ソラリス」を観たときのような感動を受けるわけではない、ということになる。 あと、映画の字幕で「現実」に拮抗するものとして「アイディア」ということばがなんども使われていたけれども、これは当然「イディア」のことで、ふつう日本語として使われる「アイディア」よりもずっと広い意味を持っている。 【keiji】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-08-26 17:25:35) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 この映画に対する私のレビューは2つになってしまいます。1つは、本作の物語はあくまでもサイトーがコブに依頼したプロジェクトであるとしたときで、その場合、インセプションという非常に困難なミッションに挑むわりには、いつまでも亡き妻との思い出に引きずられるコブが必要以上に女々しく感じられ、イマイチ共感できません。映画としても、むしろ、その部分はバッサリ削除してしまい、「ミッション・インポシブル」のような不可能なミッションを知恵とアクションで可能にしてしまうサイコ・アクションサスペンスとして徹底的に磨き上げたほうが見応えが出る気がします。▼もう1つは、本作はコブへのセラピーの物語だったと解釈する場合です。2時間半にわたって展開されるドラマは、じつはすべて、妻を失った一人の男を立ち直らせるための壮大な治療だったのであり、「現実」はまったく描かれていなかったと見ると、しつこいほど出まくった妻モルの必然性がにわかに納得できるようになり、アクションサスペンス作品とはまったく違った作品の性質が見えてくる気がします。▼ラストのコマが止まってしまうのか、回り続けるのか、その判定は見る者に委ねるつくりになっているのは、ただ単に、あのシーンが夢か現実かを謎かけただけではなく、この映画そのものをどちらの作品と解釈するか自体を鑑賞者に問うているように私には思えました。そんなふうに、案外、深い奥行きを感じさせはするのですが、前半でのネタフリがまったく活かされずに終わっていたり(たとえば、アリアドネの特訓やチェスの駒など)、夢世界の荒唐無稽で驚異的なビジョンがほとんど予告編に出ていたぐらいしかなかったりなど、大きな欠点が否めない感があります。もしかしたら、途中で脚本が書き換えられたのでは?という気もします。そのため、面白くないということはないのだけれど、突き抜けた面白さとまではいかず、といったところが正直な感想です。7点にしようかとも思いましたが、ちょっと辛めで6点也です。 【delft-Q】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-08-21 00:27:20) (良:2票) |
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6.《ネタバレ》 この映画で定義されている独自ルールをいかに許容できるかで、楽しめ度が違ってくるように思いました。私としては納得できない点が多々あり、一歩引いた所からドンパチ娯楽映画を眺めてたって感じ。このビジュアル、物語の仕掛けは、確かに魅せます。だけど、ああも理屈で組み立てられていたら、まるで人間の頭の中はデジタルデータで構成されていて、総てが定義された法則に則って確定しているもののようで。それは、この映画が描こうとする現実の不確実性と矛盾した状態な訳で、映画という媒体の虚構性までをも内包して、その矛盾を意図的に晒しているんだよ、っていうのならば、それはそれで面白いのですが(だけどそれじゃ押井守だ)、しかし、あくまでここに人間の心の深みは存在しておらず。夢を創り出す土壌としての意識・心はもっと曖昧で移ろい易く、それゆえにもっと自由で掴みどころのないものではないのかなぁ。この映画では階層ディレクトリ化され既にそのカタチが確定した表層がやかましく存在を主張するばかりで、映画を成立させるには、決定的に欠落しているモノがあるように思えるのですよ。うーん。口で語りビジュアルで語りながら、存在が感じられないモノ。実は作者が興味を持ってなさそうなモノ。それはもしかして、愛、かしら? それとも心? 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-07-25 13:18:12) (良:2票) |
5.映画の最初の方は、いろんな映像を散らかして見せただけ、という感じで、ちょっと辟易してしまいます。「夢だから、支離滅裂なんです」という事を言わんがために支離滅裂な映像をわざわざこんなに時間を使って見せてくれなくても、なあ、と(ただしそれでは申し訳ないということか、ラストへの伏線にちょっとだけなっているんだけど・・・こういうのを伏線って言うんだろうか。冒頭とラストをただ機械的に繋いだだけ)。 という訳で、それなりに派手だからそれなりに目を楽しませてはくれるけど、結局回りくどい説明を聞かされただけなんかい、という出だしに対して、物語の主部に入ってくると、夢の夢、そのまた夢、さらにその夢、という階層構造を提示して、いやコレ、支離滅裂なハズの夢の世界の割には、なかなかよく整理されてます。ちゃんとその階層構造を意識できるように各段階を並行して描く親切設計。この映画でやってることは「火災を消火する夢を観たらオネショしてた」とかいうレベルの何ともアホらしい事で、でもそれをホントに映像にしてみせてくれると、何だかワクワクしてきちゃう。 ただ、それはいいけど、この物語において、何がゴールなのか、がピンとこないので盛り上がり切れません。主人公のコブはコブで勝手に妄想みたいなのに苦しんでるし、ロバートも勝手に何やら父に対する微妙な感情を抱えているし、サイトーさんに至ってはゴメン、もうどういうヒトなのかサッパリわからない。登場人物それぞれに、てんでバラバラの悩みや重荷を抱えさせ、ドラマに形だけの「重み」を持たせてみせてくれても、物語がどこにも向かっていないのではどうしようもない。そりゃ、夢なんだから、いずれ、醒めるでしょうよ。 とは言え、劇中では別途、ある種のタイムリミットらしきものがちゃんと提示されていて、それが、「超スローモーションで落ちていくクルマが着水するまで」っていう訳ですから、ああこんなおバカなタイムリミットの可視化の方法があったのね、と、これには笑わされ、感心した次第。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-11-23 11:42:36) (笑:1票) |
4.これはストーリーの〝解読〟に苦労するかな、というのが最初の印象。しかし、要するに何段階もの〝夢オチ〟の話なんだとわかってからは、すんなり理解できました。ずいぶん都合のいい夢だなと思いつつ。 かなりプレッシャーとストレスの溜まる仕事でしょうが、少なくとも不眠になることはなさそう。「いつでもどこでも、周囲でドンパチが始まっても、たとえ死にかかっても寝れる」ということは、もしかして超ド級の健康優良児なのかもしれません。 などと斜に構えて見ていましたが、マリオン・コティヤールの美しさと、クライマックスで一瞬だけ登場する「子連れ狼」ばりの風車に、図らずもグッと来てしまいました。あれって世界共通なんですね。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-11-21 20:46:36) (笑:1票) |
3.《ネタバレ》 夢の中、また夢の夢の中・・・という設定はとても興味深く、また映像も無重力?のシーンや部屋が回転しながらバトルするシーンなどはとても素晴らしかった。ただ、それ以降の一番盛り上がるべき?第三階層の雪山のシーンがあまりにも地味すぎてただでさえ長めの上映時間がさらに長く感じられてしまったのも事実で、見終わった後素直に面白かったと思えなかった。夢の中という設定をもっとうまく使えればもっと面白くなったんじゃないかなと思う。 【ほかろん】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-05-29 16:44:32) (良:1票) |
2.こりゃまた観念的な映画。話としても映画のつくりとしても面白いし、飽きさせないんだけど、「勝手にルールをつくってルール縛りのなかで展開されるSF」ってのは、もういらん。ラストも想像の範疇内。根っこにある思想というか考え方がちょっと陳腐なのも気になります。もうひと味、底のしれない恐ろしさや、不可思議な味わいが強ければいいんだろうけど…予告編より面白いとは言えないデキです。ディカプリオは「妻を失ってウジウジする役」2連続。渡辺謙も予想の域を脱していない芝居っぷり。いろんな意味でビックリはありません。 【ケルタ】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-07-29 16:40:56) (笑:1票) |
1.《ネタバレ》 いきなり日本語だったので、吹き替え上映と間違えたかと焦った。 難解だった。今何層目なんだって確認しつつ観た。 ちょっと途中中だるみしてる隙に、あれ?今どこ?って状態。 常に画面に集中しておくべきだった。 【モフラー】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-07-25 18:43:15) (笑:1票) |