1.《ネタバレ》 無軌道な若者の姿はとても上手く描けていると思う。
映画全体(特に前半)にヒリヒリした暴力性が漂っていて、若者特有の刹那的な安っぽさの演出もとてもリアルに感じた。
肝心の暴力シーンはとてもリアルに描けていたと思うし、俳優陣それぞれの演技も思いのほか素晴らしかった。ジャルジャルはじめ、ほとんど名前の知れていない若手俳優でも、凄く良い表情が切り取られていたように思う。
ただ、これは人それぞれ感じ方が違う部分だと思うが、個人的に
「人を殺しておいて、その程度か?」と強く思ってしまった。
主人公2人の事件後のそれぞれの葛藤は確かに描かれているし、最終的報復もされているのだけれど・・・ なんだかヌルい気がした。
近年のケンカ・暴力映画について、監督は本作の暴力シーンで落とし前を付けることが出来ているとは思うが、暴力が生むその後の辛さ、痛さについては踏み込みがなんとも中途半端な気がする。
この作品のメッセージを観る側に強く響かせたいのなら、そこは容赦なく描くべきだったと思うのだが・・・・・・・・・・・・・どうでしょう。
良い意味でも悪い意味でも「投げっぱなし」な映画なので、鑑賞後はイヤでも色々考えさせられる。
まぁこの感覚はなかなか他では味わうことが出来ないものなので、とにかく一度観ることをオススメします。