1.《ネタバレ》 三丁目の夕日のコバンザメ企画映画ということで、以前から気になっていました。舞台が赤線で、主人公がホモ。昭和33年ころの雰囲気をどう再現しているか、それだけが興味のポイント。
しかし、普通にいい映画でした。低予算映画のハンデを逆手にとって、イベントの映像をうまく処理してたのは評価ポイント。それから低予算映画のため無名俳優なのですが、逆に映像がリアルに感じられる。これも評価ポイントです。
無名若手なだけに、演技は多少大根(というか舞台っぽいというか)ですが、それも味になるかのような不思議な雰囲気が全体を流れています。
オカマとストリップ劇場という、個人的にはちょっと回避したい設定の作品ですが、そこで演じられているのは、まぎれもなく「人間」の姿でした。
一言で言うならば、「意外な拾い物」です。そこはかとない笑いと、哀しみと、あたたかみと、情けなさがまざりあって、そこそこいい作品に仕上がってました。
・・・左翼活動家の部分は不要でしたが(汗)
時代の日陰にスポットを当てたこの作品は、もともとは洒落で企画した作品だとは思いますが、それらを抜きにしてもひとつの作品として、十分に成立しているし、楽しめました。
あと、ところどころ微妙に元ネタをパロッってます。ちょっとにやりとします。
ふりかえるに、社会的弱者に対して、一貫してふりそそぐ製作者の温かいまなざしが、作品を心地よいものにしているのかもしれません。