1.《ネタバレ》 このコンセプトのお話というのは探せば結構色々なトコロに転がってるヤツとも言えるのであり、誰しも決して見たことも聞いたこともない、というワケでもないかと思う。その一つとしては今作、筋書き自体はかなりオーソドックスな方だと思うが、その本筋のサスペンス的な部分についてはまず率直にかなり展開運びが高水準だったと思う(とにかく、キーマンの古舘寛治の奇妙な存在感がもう抜群で)。
ただ、本作はサスペンス面をシリアス全開な方に運んでゆくワケではなく、どちらかと言うとシュール(ブラック)コメディの方に倒そうとしている様にも思われた、というのが正直なトコロ。コメディといってもゲラゲラ笑かそう、というワケでもなく、時折ニヤリと出来る、という程度だとは思うが、その部分の奇妙さ・滑稽さとゆーのも個人的には結構好きなヤツであった。結論、完全なサスペンスではない『世にも奇妙な物語』風の不可思議なお話として、今作は前述どおり比較的オーソドックスながらもクオリティは確かな作品だ、と言ってよかろうかと思う。このコンセプトのお話としては非常に手堅い方ではないか。
やや残念なのが(ほぼノーアイデアと言ってよい)終わらせ方だろうかね。ここで何らかの結論を出せるよーだったら、もう少しランクが上の映画になった様にも思われる、けども。