1.《ネタバレ》 いちおう未来の話になってて、主人公がロボットと最初から分かってて、SFとしての設定は整ってるんだけど、前半は「田舎のドタバタ警察もの」の牧歌的な世界。香港映画お得意の泥臭いコメディが綴られていく。と中盤に至って突如『トランスフォーマー』が乗り移り、巨大なロボットがヌンチャク振り回したりする(後段ではキョンシーロボも出てきた)。笑いとアクションが香港映画の二大柱。あと「泣き」があれば三本柱が揃うな、と思っていると、心を持ったために泡になって崩れていくアンデルセンの人魚姫ばりの涙のラストが控えていた。う~ん、「香港映画」でしかないものを観てしまったという濃い後味が残った。つまりこれ映画としても『トランスフォーマー』やってるようなもんで、ぜんぜん溶け合わない部品を横に強引に連ねて合体させ、一本の映画にしてしまっている。スープを作るというより、それぞれの具材がそのまま残ってるゴッタ煮の中華寄せ鍋の楽しみ。よろしいんじゃないでしょうか(後半は二回見ちゃった)。「欲情ウィルス」を出そうとして間違って武侠ものの連中がワイワイ出てくるあたりが、個人的には一番うけた。この主人公のメイクは『A.I.』のジュード・ロウを参考にしてたのかな。