11.《ネタバレ》 これ何が凄いって全部本物な所。水兵達の機敏な動き、ピタリとそろう衛兵やコサック、地の果てまで続く群衆、それが一斉に悲しみ、怒り、喜びを爆発させ、激高する。逃げ惑うシーンが迫真なのはこの時代の人々が本物の死の恐怖を知っていたからだろう。今ではいくら金を積んでもこの映像は作れまい。生まれたての理想に燃えた全体主義国家の、それも超大国が全力で作った映画。イデオロギーが気になる人もいるかもしれませんが、エイゼンシュテインはこの後スターリンに静かに抵抗する気骨の人でもあります。欲を言えばオデッサ劇場は(もちろん)模型でいいから吹っ飛ばして欲しかった。代わりに驚いて悲鳴を上げているように見えるライオン像のカットインが素晴らしい(笑)。 【tubird】さん [インターネット(字幕)] 6点(2013-10-12 01:44:10) |
10.《ネタバレ》 底の浅い、革命思想プロパガンダ映画で、人間の尊厳や生命の尊重等は置き去りにされている。戦艦で肉に蛆が湧いた。腐った肉にかまけて、水兵達は日頃の不平、不満をぶちまける。艦医にとって、肉に蛆がわいたといって大騒ぎする水兵達は蛆虫だ。 水兵達にとって、蛆のわいた肉を洗って食えという艦医は蛆虫だ。神父にとって、神を恐れず反乱する水夫達は蛆虫だ。 革命指導者にとって、神を持ち出して革命を妨げる神父は蛆虫だ。艦長にとって、食事などに文句ばかり垂れて、ろくに仕事しない部下達は蛆虫だ。水兵達にとって、反抗したからといって部下を射殺しようとする艦長や上官達は蛆虫だ。政府にとって、政府を批判し、政府転覆を試みる大衆は蛆虫だ。大衆にとって、無抵抗の人民に銃を発砲する政府軍は蛆虫だ。ポチョムキンの水兵達にとって、鎮圧にくる艦隊の連中は蛆虫だ。一人はみんなのために みんなは一人のために、蛆虫は死ね。けれども味方になれば話は違う。やれ兄弟だ、仲間だ、同志だ、赤旗だ、革命万歳だ。「戦争の中で革命だけが真に偉大な正義だ。(レーニン)」敵を蛆虫と思えば戦争を正当化できる。多場面を多カットでつなぐ高速モンタージュ手法は緊張感を高めるのに役立ち、随所で効果的に使われている。加えて、パン、ズーム、移動カメラを駆使すればもっと緊張感は高まっただろう。冷静に観ると、分らない部分が多い。上官に反抗したくらいで銃殺刑は厳しすぎる。反乱を扇動主導した水兵の遺体が港の天幕に安置されると、大勢の民衆が弔意に訪れるが、一戦艦の反乱、武装蜂起にしては大袈裟すぎる。しかもきっかけはスープである。圧政に苦しむ民衆の様子が描かれていないので奇異に感じた。撃たれて重体の子供の母親が、子供を避難もさせず、手当もせず、子供を抱いて兵に抗議する不自然さ。乳母車を押して示威行動に参加する無鉄砲さ。階段落ちの乳母車が最後にどうなったかを見せない。転覆しそうになる場面で終る。鎮圧のため派遣された艦隊が何故反乱軍に同調したのか?無線電信機を使わず、手旗信号とはこれいかに。結局、大衆と艦隊は分離したまま、ちぐはぐに終了。ポチョムキンという名にはユーモアがある。崖の上のポチョムキン、ポチョムキン肉マン。ポチョ無菌室。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-09-19 03:08:01) |
9.《ネタバレ》 「一人はみんなのために みんなは一人のために」この言葉、なにかにつけよく聞くなと思っていたのですが、この映画で連呼されるとは・・・。『三銃士』に出てくる言葉なんだそうですね。もともと良い言葉だろうし、素直な善人ばかりの小さなグループならば通用する誓いかもしれないけれど、価値観が多様化し過ぎて何が正しいことなのかもハッキリ分かりづらい社会においては、乗り切れない言葉だなーと思います。ただ映画の発端自体は、ウジのわいた腐った肉のスープに満足の意を強要される理不尽にあるので、こういうことにはきちんと怒ることが出来るのが正常だと思います。日本では怒りを表現すると正当な怒りでも「大人げない」なんて言われかねないですが・・・。水兵たちの当然の怒りが民衆に通じて良かったですが、現代社会でまじめに考えると「水兵たちの主張は事実なのか?」という第三者の冷静な疑問の余地や、「私なら文句言わずに働きますぜ」と仕事にあぶれた人々が混ぜくったりや、新聞やテレビの思惑忍ばせた記事に簡単に誘導されちゃう人々や、デマを流したりそれを鵜呑みにする人々などで、この映画のような単純構造には落ち着かないんだろうなーと、そんな冷めた気持ちで鑑賞していました。今や民衆そのものが「勝ち組」「負け組」「格差社会」とかに踊らされ一体化できない時代だし・・・たしか『蟹工船』の紹介でこの映画が取り上げられた記憶が・・・。けれどオデッサの階段の逃げ惑う人々に添って流れるカメラワークにかなり引き込まれました。作られた時代を考えると、あのシーンの演出はかなりスゴイと感じます。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-05-03 00:49:26) |
8.オデッサの階段を逃げ惑う人々を追うカメラワークは確かに迫力がある。でもあの虐殺へ至った経緯が唐突過ぎる。あの赤ちゃんどうなったのだろう・・・当時の戦艦の様子が興味深く、印象的な映像も多々あるが、ストーリーとしては面白いものではなかった。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-08-01 22:08:47) |
7.いかにもプロパガンダって感じだが、不朽の名作と謳われるのも大いに頷ける。ただ、ちょっと汚いので食事しながら観るのは辞めた方が良い。私はそれで失敗した。 【丹羽飄逸】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-10 21:04:53) |
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6.ソ連発の真っ赤な白黒映画。政治的な意味合いはさておき、特にオデッサの階段周辺でのモブシーンのスケールの大きさなどには素直に感心してしまった。さすが国策映画、気合いが違います。でもそれを除けば別段面白い話でもなかったので…この点数。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-06-02 17:22:41) |
5.「オデッサの階段シーン」は素晴しい。このシーンだけはこの映画の中で際立って見える。上段から崩れるように流れ堕ちる人々は、それまでの勇猛さが嘘のように必死で、思想を失い恐怖に怯える愚衆でしかない。それまでに大きく強く恐しく描写された専制政治はこの映画を象徴していた。切迫した臨場感を増す乳母車の演出はこの映画を代表するワンシーンとなった。ー方でこの映画は革命への強い熱気を帯びたプ口パガンダ映画であり、その過剰なまでの反発には説得力が薄く、歴史的技術的価値以上のものは見入出せない。 【ハッシーふりかけ】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-08-13 18:40:10) |
4.《ネタバレ》 学生のとき映像論の授業で断片的に見て、全部見た気になっていた映画。今回じっくり見ました。やはり見所はオデッサの階段。赤ん坊の母親の男のような白塗りの顔、印象的でした。叫ぶ顔が物凄い。ただ感動する映画ではないですね。 ショスタコ版で見たので、次はどの曲が流れるか楽しみながら見ました。交響曲いっぱい入ってました。階段シーンは11番でした。ぴったり!! 【トマトマート】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-02-17 02:01:57) |
3.まあ、作られた年代も考慮してこの点数にしました。当時見た人は10点だったろうと思いますが、さすがに今見るには映画史に偉大な影響を与えた作品だったというしかない映画だと思います。 【べんちゃんず】さん 6点(2004-09-12 12:47:42) |
2.サイレントなのにあれだけ迫力あるつくりは凄いです!音楽も結構好き。どのカットをとっても絵になる! 【kaneko】さん 6点(2004-05-17 22:23:21) |
1.ロシア革命数年後のまだ熱い時に作られた作品。身分制度の下で鬱屈してたエネルギーを喜び溢れさせた感がします。1925年という古さはあまり感じませんね。やはりオデッサの階段は秀逸!当時の熱い思いが伝わってきます。このハイテンションの中で、ヒーローの死体役の人がしっかりとまばたきしてしまうのはとっても御愛嬌があってよろし! 【ユーフラテス】さん 6点(2003-06-15 15:10:08) |