9.《ネタバレ》 この作品はオチが途中で読めてしまうかどうかで評価に多少差が出るかもしれません。映画をよく見る、あるいは小説をよく読む人ならオチはわりと早めに想像がつくかもしれないですね。
だとしても、ポテチの塩とコンソメのくだりで濱田岳が涙するシーンはぐっとくるものがあります。
ちょっとサスペンス臭漂う入り方で映画が始まりますが、中身はヒューマンドラマに終始したことが良かったように思えます。
濱田岳演じる今村忠司が、自分のことより自分の母親の心配をするのが良かったです。球場で尾崎が代打で出場したときに、母親に本当の息子の姿を見せてあげようと一生懸命なのはなかなかの名シーンです。
で、そうなってくると主人公の空き巣設定がなんか邪魔になってきます。
オープニングで親分・・・いや、専務か。専務が『自分たちは義賊だ』みたいなことを言っていますが、やっていることは立派な犯罪です。どーもそれが感情移入のジャマになって仕方が無い。
木村文乃さん演じる若葉さん、凄く良かったです。何も知らない母親も、ザ・母親って感じで良い味出ていました。
できることなら主人公には空き巣などせず真っ当な仕事に就いてもらって、若葉さんと結婚し、3人で末永く幸せに暮らしてほしいものです。って思っている時点で、しっかり感情移入しているじゃないか、自分。