2.《ネタバレ》 街の片隅で、親の代から続くマネキン工場を営む孤独な青年フランクには誰にも言えない秘密があった。それは、幼少期に実の母から受けた虐待が原因で、女の頭皮に異常なまでの執着をみせるという、抑えきれない歪んだ欲望。そう、実際に街で見かけた女を殺しその頭皮を剥いでマネキンの頭部へと貼り付けてコレクションするほどに――。偶然知り合った新進気鋭の女性芸術家アンナへとその歪んだ欲望を向けたことから、そんな彼の精神はさらなる狂気の深淵へとはまり込んでいくのだった。という、ストーリー自体はもう何処にも一ミリたりとも新しい部分の全くない超ベタベタなサイコ・サスペンスなのですが、本作は全編をそんな異常なサイコキラーの主観目線で描いたというのが新しいところですね。モキュメンタリーとかじゃなく、ほんとにずっと精神異常者視線でストーリーが語られていくため、まるで自分が何の罪もない女を殺してその頭皮を剥ぎそれを貼り付けたマネキンに取り囲まれて「ハアハア」言いながら恍惚としてるみたいな気分にさせてくれます(まあ、ほとんどの人は積極的にあまり味わいたくないだろうけどッ笑)。いやー、とにかく気持ち悪いだけの作品でした。いわゆるPOV亜流な設定なので、ストーリーに深みや情緒なんて欠片もありません。もう蝿がたかる血だらけのマネキンとか、その腐臭が今にも臭ってきそうで不愉快千万(笑)。でもまあ、ここまで人を不快にさせる映画を撮ったスタッフたちの情熱(特に終始いや~な目付きの気持ち悪いイライジャ・ウッドがぐちゃぐちゃになっちゃうラストは必見!)は、良くも悪くも賞賛に値します。よって6点。