8.女の子は誰でもシンデレラに憧れる時期はありますよね。私も大好きでした。幼稚園の頃、小さな絵本を何度も何度も夢中になって読んでいました。
大昔の話です。
夢見る少女だった私も一応、一人前の大人になりまして、
魔法使いに会えなくても、欲しい靴やドレスを自分で買えるようになりました。
どんなに願ったって、かぼちゃは馬車にはならないことを知っています。
階級制度がなくなった現在の日本においてすら、結ばれない恋が溢れていることも分っています。
所詮シンデレラは「おとぎ話」だと、醒めた正論を展開することもできるくらい、口も達者になりました。
なのに、この映画は、擦り切れた絵本をめくっていたあの時の感情を、運んでくるのです。
魔法のシーンは、裏切ることなくわくわくしますし、ガラスの靴を履くシーンはロマンチックでうっとりします。
子供の頃に夢見てた世界がそのままスクリーンに現れます。何の小細工もなく、正々堂々と王道一直線です。
私はスーツを着て、電車にかけ込まなくちゃいけないので、ガラスの靴は履けません。
でも、シンデレラの様に勇気とやさしさは抱えて、私らしく生きていこうと思います。