2.《ネタバレ》 相変わらずどこを見ても大金がつぎ込まれていることがわかる、まさに超大作に相応しい映像だ。マーベル好きといういことも手伝い、それなりに楽しいのである。
しかしながら、これまた相変わらずツッコミ所も満載で、今回はそれが根幹部分に生じているみたいだ。
要するに、「これアベンジャーズのせいじゃね?」って思ってしまうのが痛い。
ハルクVSハルクバスターなんて、南アの皆さんは堪ったもんじゃない。せめて敵が仲間割れを狙っての精神攻撃とか言ってくれれば、まだ許容できたるのだが。(前作と被ってしまうか)
また全てのヒーローに見せ場を設けるために、敵の描写が限りなく薄くなってしまった。アベンジャーズには最終的に3人も新キャラが増えるのに、敵はウルトロンとその他の雑魚である。デカいメカもなければ、手強い中ボスもいない。こんなメンツで超人や神に挑むんだから、敵の方が気の毒になっちまう。
このぬるい空気感は致命的か。凄い映像なんだが総じて薄味な印象の映画になってしまった。
マーベルヒーローをここまで育て上げたことが、本シリーズの強みであるし、拡大を続けるマーベルの宇宙は、ファンとしては非常にうれしい。しかし本作は、大ヒットシリーズというブランドに頼り切っており、本作独自の驚きや興奮が希薄なのだ。
大予算を懸けたハリウッド大作だ。続編映画で手堅くいくのは当然。それも分かる。実際ホリデーシーズンには各社こぞって続編系の大作を封切っている。
そして本作は期待通りに大作揃いの映画シーンで歴史的ヒットを記録した。それこそアベンジャーズのように敵を「蹂躙」する勢いでだ。
しかし興行が全てではない。30年ぶりに登場したMAXは、CGに慣れた観客の度肝を抜いた。トム・クルーズは前作超えの超絶スタントに挑戦し、シュワちゃんは自身の代表作に本気のカムバック。英国の諜報員は復活した敵組織と闘うはずだ。
無難な続編から脱しようと、そして心に残る映画にしようと、意気込む大作が今年は揃っている。
だからこそ興行的に大勝利を収めたアベンジャーズには、劇中のソーの叫びをそのまま言いたい。
Is that the best you can do!?(それで本気かこの野郎!!)
アベンジャーズの本気はこんなもんじゃないはずだ。