3.《ネタバレ》 『もののけ姫』のディズニー版かと思って見はじめたのですが、内容的はまったく違っていました。わたしは原作のことを知らなかったのですが、なんと19世紀の小説だったのですね。自然保護のような理念がまだ存在しなかった時代の冒険ファンタジーです。どうりで物語の価値観が理解できないはずですよね…。パディントンやキングコングが歌い出したり、絶滅危惧種のトラを焼き殺したりする物語のなかに、現代的なエコロジーの視点は見あたりません。動物たちは「生態系の均衡」を守ろうとするのではなく、むしろ「義理と人情」を守ろうとしているようです(笑)。文明批評の要素も感じられません。
そんな前時代的な空想小説が、何故いまもアニメ化されたり映画化されたりするのか知りませんが、それほど英米では愛されているのかしら?さすがに現代の価値観には通用しない題材じゃないかと思えてなりません。
でも、CGのスペクタクルとしてはかなり楽しめたし、エンターテインメントとしては成立してました。そこを高めに評価して7点にします。日本語の吹き替えは、CGのリアリティを損ねていたので、原語の音声と字幕で鑑賞しました。