1.《ネタバレ》 白人の警察官に、ただ黒人と言うだけで虫けらのように殺された兄を救うため、自作のタイムマシンを使って何度も過去へと遡る女子高生を描いたSFサスペンス。『バタフライ・エフェクト』や『オーロラの彼方へ』と言った過去改変タイムパラドックスものに、昨今の深刻な人種差別問題をスパイスとして振りかけるというこのアイデアは、新しいと言えば新しい。全体を彩るレゲエ・ミュージックも、このともすれば重くなりがちな物語を明るい青春ものへと中和させることに成功している。主人公の黒人少女が魅力的なのも大変グッド。こういう作品のお約束――こっちを救うとあっちがえらいこっちゃというのも、ベタながらなかなか面白かった。ただ、ラストがあまりにも投げっ放しなのが本作の残念なところ。もう少し「起承転結」をしっかりと考えて、脚本を練って欲しかった。冒頭、マイケル・J・フォックスがちょい役でちょっとだけ出ていたのは嬉しいサプライズ。結論としては、ま、ぼちぼちってとこでした。