5.《ネタバレ》 自分の容姿に自信がもてないアビー(ジャニーヌ・ギャロファロ)と、容姿は美しいが知性・教養にコンプレックスをもつノエル(ユマ・サーマン)の二人をブライアン(ベン・チャップリン)が間違えて認識するというストーリー。ありがちですが、かなり丁寧に作りこまれているうえに、動物たちのアクセントが入ることで、ラブコメとしての完成度は高いと思います。
ブライアンはアビーの知性・教養・性格・人柄に惹かれるわけですが、アビーがノエルを身代わりに仕立てちゃうのです。ノエルを見たとき、ブライアンはまるでノエルに一目ぼれしたかのように立ち尽くします(実際はアビーだと思っているわけですが)。こうなってくると、当然、外見or内面、大切なのはどっち?っていうテーマに発展していくんですよね。
まあ、好きなタイプの作品のはずなんですが、なにしろアビーがそこまで不細工にも見えない。最初アビーがラジオで相談に乗っているシーンなんかは、まだノエルが出てきていないこともあり、働く姿のアビーが純粋に格好良いし、魅力的に思えます。そうすると、アビーがノエルを身代わりに仕立てるシーンがなんか無理矢理状況をややこしくしようとしているように見えて、ちょっとイラっときます。その後もさっさと誤解を解けば良いのにと思っちゃいましたね。
また、ラストで結局ブライアンはアビーを許して、アビーと結ばれるわけですが、もしノエルもブライアンのことを好きだと知った場合にどちらを選ぶのか、それが知りたかった気もします。そこまで見せてくれれば、本作最大のテーマをきっちり消化することにもなったと思うんですけどね。なんか肝心なところはうやむやにされちゃった印象が残ります。