2.ネアンデルタール時代と原始文明時代の間のどこか、その猿と人との間での信仰・家屋・道具・化粧などを描いていく。芯に火を求めての冒険の旅を置いてあるのもストーリーとしての安定感、ユーモアも適度に散らばっている。しかし言葉がないことが、映画として枠に感じられてしまうんだなあ。言葉のない自由さよりも、不自由さを感じてしまう場面のほうが多い。せっかくのユニークな目の付けどころがあんまり生きてこない。つまり隠された言葉の台本がまずあって、それにジェスチャーを振り付けていったというような。まあこれは難しいことかも知れないけど、もっとまったく新しいものを期待してしまっていたので、ちょっとがっかりした。悪役が悪役らしい表情をしていることなんかにも、言葉の下地が透けて見えている気がする。音楽がやたら荘重な後に滑稽シーンが続いたりして、映画としてのリズムへの気配りも足りない。進化の進んでいる村は、どことなくパゾリーニの世界を思い出させて懐かしかった。