17.《ネタバレ》 「悪魔のいけにえ」を見たスピルバーグが、
トビー・フーパーを天才と言い監督に抜擢することになります。
同時期に「E.T.」を撮っていたスピルバーグは
ふたつの映画の撮影現場を行き来することになります。
同じような街が出てくるのでわかると思います。
(余談ですが、スピルバーグはシンドラーのリストと
ジュラシックパークという映画も同時に撮っていました・・)
私はもちろんスピルバーグの大ファンですが、
このトビー・フーパーのようなマニアックな職人監督も好きです。
スピルバーグのスプラッタホラーにはコメディ色がありません。
フーパー監督はコメディホラーです。
その違和感が逆に面白い。
後半のママが戻れなくなる世界へ娘を連れ戻しに行く。
このあたりからスピルバーグの映画になっているんです。
霊が美しい・・
なぜファンタジー??
まるでエイリアン2のような力強い家族愛ドラマに変わる。
そうだったのか、これは心をきれいにして見ないとと入っていくと、
なんとまたラスト近くで、トビー・フーパーの映画になっている!?
すべて終わって爽やかにお引越し準備で終われば感動作ですよ。
美しい家族愛から一気にドロドロのゲテモノ映画。
ラストのわらわら出てきた死霊の団体に、スピルバーグは怒って、
こんな風に作ってほしくなかったと。
まああの家族愛のドラマには似合いませんよね。
でもフーパーとしては撮らずにいられない。ホラー監督の意地がある。
そこまで気持ち悪い思わせぶりな脚本書いて、
ラストは感動させるなんて俺はやだねと言ったかどうか知りませんが、
この論争の末に新聞広告を使いスピルバーグが謝罪。
まあストリーボードもスピルバーグが描いていたのですから、
フーパーは指図通り撮っていたわけで、
そのお絵かきシナリオ通り撮らなかったのが最後のシーンなのでしょう。
そんなこと考えてたらこの映画、違和感もありますがおかしいですよ。
もうひとつの事件とは、知らない人がいないくらい有名。
主演の女の子がその後亡くなっています。
当時はその話題の方が先行してこわがられていたようです。
めちゃかわいい子でしたが・・
追記として、「ヘキサゴン」もレビュー載せています。
怖さやカメラワークはこちらが上です。
ただし家族愛のラストシーンがイマイチで、
テレビドラマの放送時間にもよるもので惜しい作品です。