4.《ネタバレ》 主人公が自分の出生のルーツを辿るのがメインで、犬ぞりレースは付加価値的な意味を超えるものではありませんでした。てっきり犬ぞりレースメインの物語かと思っていましたので、ここでまず勘違いがありますね。
この作品は、安易なハッピーエンドストーリーに終始しすぎているために、リアリティはほとんどありません。まさにおとぎ話の世界。実際犬が夢の中でしゃべっちゃうシーンや、ウインクをはじめとしたアイコンタクトなどの擬人化の演出も見られます。だから最初から絵本のような質感で作成するつもりだったのでしょう。ですのできっとターゲットは子供。決して40近いおっさんが見て楽しめるレベルの代物ではありません。こーゆーところは良くも悪くもディズニー。
また、主人公が犬ぞりレースの練習をするためにアラスカに留まり続けることの理由・動機付けが弱いのも、映画に入り込めない要因かと思われます。
まあそれでもディズニー映画ですから。映像は綺麗で、テンポは良い。演出も面白く、当然見ていて飽きることはありません。
特にラスト。父親と和解し、デーモンの信頼を得、ハッピーエンドへと突き進むストーリーは見ていて気持ちが良いです。
映画としては少々物足りないかもしれませんが、ハートフルなヒューマンドラマとして綺麗にまとまっている作品でしょう。
それにしても主演のキューバ・グッティングJrはもっと面白い演技ができる人なのに、この作品では真面目すぎて、彼の良さが活かしきれていない気がします。キューバ・グッティングJrは脇役でこそ光る人材なのかもしれませんね。