53.藤沢周平の作品は読んでいると風景が目に浮かぶ。ストーリーも面白いので読み出すと一気に読んでしまう。けど、例えば池波作品のように「そー来たか!」みたいなガツーン!とブン殴られるような衝撃ってあまり無いように感じる。あくまでも緩やかに、日常から遠く離れることなく、「生活」と言う「のろくさい」部分を常に意識し続けることから独特の作風が生まれるのかも。それを映画と言う短い時間で表現するのは難しい。「生活」を描けば地味で退屈になってしまうし、さりとてそれを端折ってしまえば藤沢作品のもつ味を損なってしまう。この映画はそこんとこギリギリ上手く表現出来ていると思うけど、ちょっとまとまりすぎてて「まんまやないけ」と言うもの足りなさも無きにしもあらず。活字を映像にする時、何かひと工夫が欲しい。それが何かは私には分からないけど。それにしても真田広之は女心をくすぐる。私が世話したいゾ! 【黒猫クロマティ】さん 6点(2004-05-18 12:20:11) (良:2票) |
52.淡々とした描写で終始進行する映画には、根源的で絶対的な深みが必要だ。それがきちんと根底にある作品なら、表層的には穏やかでも、きちんと心を揺さぶる感動作として機能する。だけれどこの作品に関しては、強烈な深みを感じなかった。武士道の精神とその悲哀を描く上で、この作品は脚本や演出ではなく、キャストの魅力だけに多大に依存し過ぎているような気がする。とにかく真田広之の上手さには感動した。誠実で生真面目で不器用で純朴。それなのに色気がある。汚い格好をしても臭いと罵られても抑え切れない、彼の色気にどきどきした。緊張と緩和、静と動。殺陣の美しさ。そんな時代劇の色気。この作品で私が買いだな、と思ったのは正直、真田広之だけだった。 【ひのと】さん 6点(2004-02-15 17:27:05) (良:2票) |
51.真田広之さん、いい映画に主演できてよかったですね。彼の代表作だと思います。井上陽水さんの「決められたリズム」は、意外とハマっていました。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-10-02 15:06:33) (良:1票) |
50.かなり評価高い作品ですが、そんなに素晴らしいですかねぇ~ 普通に楽しめた程度でした。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-10-10 19:52:51) (良:1票) |
49.何故、過去形にしてしまったのだろう…という印象で、終始、娘・以登(岸恵子)による“良き父の思い出”として語らせる演出は余計。現在進行形で進む映画のストーリーも、“語り”という手法で過去形によって話を進めれば進ませる程違和感を覚える。大体、娘の知らない所で父が何をしているか…だなんて、実際に見もしないで語っている時点でリアリティに欠け、虚構のストーリーだと浮き彫りにしているだけで興味が薄れる。ただ、日本の良き情景を背景にたった1人の侍の様を淡々と描く演出なり、独特な味わいがこの映画の特徴で良いと思う。 【_】さん 6点(2004-10-10 15:24:25) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 よくも悪くも山田洋次の映画という感じ。アラがなく、ソツもないけれど、強烈な何かもない。いわゆる佳作。 立身出世を求めない清兵衛の生き方が人気だというが、組織の中で、あのように自ら窓際族となって孤立しながらも、なおかつ尊厳を身にまとっているというのは、現実にはほとんどありえない。多くの組織人は、一生懸命仕事に励んでいるにもかかわらず結果が出なかったり、認められなかったりするのが実際ではないだろうか。なので、実は器用な人間である(と私には思える)清兵衛にまったき共感を感じることはできなかった。同じ藤沢周平原作でも、仕事自体にも一生懸命だった『蝉しぐれ』の牧文四郎のほうが共感できる。 恋情あり、活劇ありとエンタテインメントの要素は押えてあるので楽しめるが、他方、テーマに深まりが見られなかったのが物足りない。アカデミー賞ノミネートまではいっても、受賞にいたらなかったのは本作のあり方を如実に反映して象徴的。 絵は大変美しく、山々には必ずといっていいほど高圧鉄塔が立ち並ぶなか、よく撮影地を探したもんだと感心。 【delft-Q】さん 6点(2004-06-20 13:42:57) (良:1票) |
47.ラストサムライの後に見たので迫力にかけた。だが邦画なりにいい雰囲気がでてたと思う。 【kure】さん 6点(2004-06-06 11:02:04) (良:1票) |
46.本作は時代考証をきっちりやったと評判ですが、清兵衛の言葉の中に「とんでもございません」の一言が。これで、私は一気に冷めました。現代劇ならまだしもだけど、それでも間違っていることに変わりはないのに、山田監督ともあろう人の時代劇で、これはそれこそとんでもないことです。正しくは「とんでもないことでございます」でなければ! 時代物でこんな言葉遣いは、許されないですよ。静かなたたずまいはいいし、ナレーションの(岸恵子の)声やトーンも絵と合っていますが、あまりに説明過剰。これまた解せません。ヒロイン像が、小手先だけ新しさを装った、昔ながらの「耐える女」だったのも、やだやだ。古くさいですよ。ラスト、老けた娘が出てきたことも、訳のわかんない主題歌も興ざめ。映像そのものは見応えあったのでそこには敬意を表し6点としますが、実質は5,5点といったところ。世間の高評価は間違っていると思う。 【おばちゃん】さん 6点(2004-01-28 14:14:29) (笑:1票) |
45.《ネタバレ》 何か満たされない。見終わった後そう感じた。後日談は余計なんじゃないだろうか。あんな境遇だったんだから最後はつつましくも幸せに終わってほしかったのに、3年後に父は死んでしまうとか。ハッピーエンドの腰を思いっきり折られた気分。 宮沢りえはハマリ役だけど、登場した瞬間に役柄がわかってちょっと引いてしまった。 オープニングの曲というか音がちょっと時代劇らしくなくて、あれっ?って思ったらすぐに「音楽 富田 勲」のテロップ。ちょっと、おおって思った。でもエンディングが井上陽水だったのがちょっといやらしい。 結局、お話だよね。観客をいかに泣かせるかっていう。そんな意図が見えてしまっていまいちのめりこめなかった。 【まこと】さん 6点(2003-12-16 00:51:19) (良:1票) |
44.アカデミー賞ってことで、少し期待していたのですが、期待したほどではなかったかな、と。自分の耳が山形の庄内弁に慣れるまでに30分かかってしまって、何を言ってるのか分からなかったところが多数ありました。同じ日本語なのになぁ…(^^;)まぁセリフはおいといて、真田広之がカッコよかった!最後の殺陣シーンは、やっぱり素晴らしいですね。ものすごく派手なチャンバラじゃないけれど、あの映画の中では充分カッコよかった。それから、宮沢りえ演じるともえ!一歩下がって男性を立て、陰できちんと支える。素晴らしい日本女性の姿を勉強させて頂いたなという感じです。淡々と流れる映画の流れの中で、ともえがいるシーンはパァッと華やいだ感じでした。山形の美しい自然と、人々の静かな生活がよく描かれていたと思います。 【みさえ】さん 6点(2003-06-16 11:29:03) (良:1票) |
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43.(2005年 テレビ録画視聴時のレビュー) 山田洋次が初めて挑んだ時代劇。初の時代劇ながら、山田洋次らしい作品になっていると思います。 この作品を観る前に、藤沢周平の同名原作を読んでいただけに、藤沢作品の清廉さにはやはり及ばないかな、と正直思ってしまいます。清廉な世界を表現していたとは思いますが、藤沢作品の世界の美しさは、映像で表現しきるのは不可能なのかもしれません。 庄内(山形)の小藩・海坂藩の平侍、井口清兵衛が主人公。彼は妻を亡くしたために、二人の娘と耄碌した母の世話に追われる毎日。勤務後のたそがれ時に、同僚の誘いも聞かずにまっすぐに帰宅する姿を揶揄され「たそがれ清兵衛」と呼ばれている。 幕末の混沌期、京や江戸とは遠く離れた小藩で、時代の変革期であることは感じていながら、平穏な生活を粛々と営んでいる清廉な武士の姿を描いている作品です。 違和感を感じずにはいられなかったのは、清兵衛の恋物語が妙に強調されている点です。原作では、清兵衛はもっと清廉な人物だったはず。いい年して恋に迷う姿を見せられると、清兵衛の魅力も半減です。 そこが山田洋次らしいところなのかもしれませんけどね。 実はこの作品、エンドロールでわかったのですが、「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」という3つの短編をごった煮にしたもののよう。それがわかれば合点がいきます。この作品での清兵衛は、むしろ「祝い人助八」の助八に近い人物像なんですね。 原作による先入観抜きにこの作品を観ていれば、すっきりとこの作品の世界に浸ることができ、また、清兵衛の人物像にも好意をもてたかもしれません。真田広之の演技の素晴しさにも素直に感動できたかもしれませんね。 【りょうち】さん [地上波(邦画)] 6点(2021-02-06 00:38:14) |
42.自分にとっては淡々としすぎていた。起伏がなさすぎてドラマとして物足りない。年末年始に、NHKのドラマ見てるんだったら、ちょうど良い感じ。 【センブリーヌ】さん [地上波(邦画)] 6点(2019-12-09 00:49:28) |
41.《ネタバレ》 山田洋次監督の撮る映像の空気感は凄く好きなのですが、ストーリーに起伏が無いのが玉にキズですね。 真面目すぎると言ってもいい。 映画通なひと。時代劇通な人にはたまらないのかもしれません。 私のような俗人には、なんとも物足りないというのが正直な感想。 同じ監督作品、『学校Ⅰ』や『隠し剣 鬼の爪』は好きなんですけどね。 人物描写。生活。背景。とにかく一つ一つが非常に丁寧。 この緻密とも言える、日本人にしか作れないようなこの作品の雰囲気。そしてその雰囲気だけで2時間以上魅せてしまう。はっきり言って凄いと思います。 朋江と清兵衛のエピソード。凄く良いです。監督の持ち味が、い~い感じで出ている気がします。 ありふれたプロットには違いありません。ですが、心情を丁寧に丁寧に描写するだけで、こんなに情感あふれるドラマになる。まるでお手本のような美しい恋物語です。 そして多くの方が絶賛されている、余吾善右衛門討伐。否定するのには勇気がいりますが、個人的には『これがクライマックスか・・・』というのが本音。 いや、ダメじゃないんですが、この人、それまで少ししか出てきてないんですよね。蔵のところでちょっと会話のやりとりをしたぐらいです。突然悪鬼の如きラスボスとして君臨されても、正直あまり思い入れが無い・・・。ですので、クライマックスを飾る相手としては、ドラマとしても敵役としても微妙でした。最後に一波乱あってくれたら、また評価も違ったかもしれません。 『良い作品』=『面白い作品』にはなるとは限らない典型の一つだと思います。 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-05-29 18:00:44) |
40.貧しい、ある下級武士の生き様を描いた作品。 主人公の現代でも通用するような設定が面白くて、すぐに物語に入り込めた。 もちろん後半は時代劇らしい展開が待っているんだけど、とてもスムーズな流れで、 シナリオ、キャスティングともに、「武士の一分」よりも楽しめた。 少し説明的なセリフやシーンが多いかなという印象は受けたが、 一番下の娘さんのナレーションでお話を進める演出は良かったんじゃないかと。 大人の鑑賞に耐えられる佳作。 【MAHITO】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-07-30 03:37:34) |
39.かなり地味で薄味な内容。 主人公があまりにも善人すぎてなじめないし、 長さのわりには大したものは見れなかったという感じ。 よくある江戸が舞台ではないところは特徴かもしれない。 時代劇のディテール作りはしっかりしているので、それなりに見れるけど。 そんなに正気を失って恐ろしい犯罪者がいるんなら、 槍でも持ってけば、いっそ銃で撃ち殺せば、と思ってしまった。 【且】さん [地上波(邦画)] 6点(2009-06-27 00:30:28) |
38.評判通りなかなか良かったです。清兵衛かっこ良いです。落ちついたトーンで温かみもあり、心地の良い感じで進みますが、その分特筆すべき所はあまりなく、満足感が得られるとは言い難いですね。 【すべから】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2008-05-29 17:29:59) |
37.正直、時代劇があまり好みでなく、知識もないので 鑑賞しながらきちんと理解できるのかしら?という思いで見始めましたが、こんな私でもヒューマンドラマとして充分に楽しめました。 【☆Tiffany☆】さん [地上波(邦画)] 6点(2007-07-31 04:10:27) |
36.当たり障りがなく、わかりやすいお話。でも、それだけのお話としか思えないインパクトの無さ。 【Keicy】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-01-28 23:03:18) |
35.おしんを思い出しました。やはり真田はキレのある演技をしますね。でももうちょっとなー、ドラマが欲しいです。最後も淡々としてますね。 【たかちゃん】さん [地上波(邦画)] 6点(2006-12-26 07:02:51) |
34.キャストが演技派揃いで、脚本がありきたりでも楽しめる作品になっていた。 【はりねずみ】さん [地上波(邦画)] 6点(2006-12-23 06:23:16) |