1.非常に深淵なる宗教的作品で、観ていて苦しくなるほどだ。
主演のメガネ女優がとてもウザったく思えたが、なんとそれはイングマール・ベルイマンの意図したものだった。
それは主演の男のセリフによって解る。
「近視までもが嫌だ。」と、男は言う。
これは酷い。
だけど、観ている私もそう思った。
凡才の監督が、意図せず不快な人物を作品上に造りあげたのではなく、不快な人物をベルイマンは意図して造り上げたのだ。
やはりベルイマン監督は偉大だ。
ベルイマン監督の作品は、面白いとか面白くないとかの言葉では表現できない。
ただただ凄いというしか表現の仕様がない。
ベルイマン監督の作品には、面白いと言える作品は少ないかもしれない。
むしろ陰鬱だったり陰惨だったり。
だけど、何故かクセになる深い味わいがある作品が多い。
だから私はこれからも可能な限り彼の監督作品を貪欲に観続けることだろう。