5.北鎌倉を舞台にした、小津作品では定番の父親と娘のお話。
登場人物達の日常生活を中心に描く内容は、当時の世相が垣間みれて非常に興味深いが、
鎌倉の落ち着いた風景も情緒たっぷり。役者陣たちのセリフ回しは、相変わらず面白い。
ストーリー面においては物語の起伏があまりなく、ラストも割とあっさりめ。
こういうパターンもあったのかなという点では、いい意味で時代を感じさせてくれる。
ストーリーよりも、主人公たちのキャラと家族間のペーソスに狙いを絞った構成で、
小津らしいほんわかとさせてくれる作品だった。