2.活弁トーキー版を鑑賞。
無音より活弁ありの方が集中力を要さずに済むという長所がある反面、サイレントならではの微妙なニュアンスや雰囲気がぶち壊されかねないという短所があるように思う。
無音の方が後味は良いが、活弁ありの気安さも捨てがたい。
いずれにしても、現代においてサイレント作品を観るということは、エネルギーを少なからず使わなければならないらしい。
さて、本作であるが、出来としてはまあまあ。
小津のサイレント作品の中では並なのではないだろうか。
しかし、本作でも八雲恵美子(理恵子)は綺麗だったなぁ・・・
おしとやかなのに艶っぽい。
真面目そうなのに、何故だか男を惑わす色気がある。
古風な女性の感じなのに、現代においても現代的であると感じることのできる外見。
あらゆる部分で多面性(両面性)を持った不思議な魅力と色気を持つ女優さんである。