1.オリキンシリーズ第3作。ナンセンス指数がいい感じに上がってきていて、いわゆる「ツッコミどころの多い作品」ってことになるんだと思いますが、それこそが作品の大胆さでもあり、楽しさでもある訳で。
仲間の下町連中がただオリキンを応援するばかりではなくって、例のゴルフ練習場がブラック企業と化し(金の無心ばかりするオリキンもブラック社員だけど)、アホらしくも危険極まりない仕事に追い込まれたオリキン、トーナメント前の大事な体であるにも関わらず転落事故を起こし、持病の腰痛を再発してしまう。メチャクチャな展開ですが、この腰痛エピソードはさらに複数のエピソードへの導入として最大限に活用されている(あと、ベーヤンの特別出演への導入にも)ので、文句を言ってはいけません。いや、文句は言ってもいいけど怒っちゃいけません。
転戦を繰り返すプロゴルファー映画らしく、冒頭から旅の情緒を感じさせます。通りかかった花嫁行列に笑顔を送る主人公、「結婚」という作品のサブテーマをここで暗示しているのかどうか。主人公が飛び乗ったバスの中で、若い女性プロゴルファーとの出会いがある。けれどこの二人はさすがに年が離れ過ぎで、恋愛には発展せず、父と娘みたいな関係ですかね。何となく武田鉄矢がエロそうに見えてしまい、何となく彼女を狙っているように見えてしまうのは、これはもうしょうがない。そういや1作目以来、「主人公の娘」というのが約2名、ストーリー上ほぼ活用されないまま登場し続けているけれど、あれ、何とかしてあげられないものなんでしょうか。
で、主人公が知り合ったこの女性プロゴルファー、の物語が、初勝利を目指す主人公の物語に絡めて描かれる。彼女の役を演じるのが新人の女優さん。この演技が正直、イタイ。きっと初々しさみたいなものを監督が求めすぎた結果、こんなコトになっちゃったんじゃないか、と想像しまてしまう。いったい監督は誰なんだよ、出てこい!と思ったら、そういや2作目からは武田鉄矢本人が監督してたんでしたっけ。とにかく、せっかく彼女もしっかり映画の中でゴルフの腕前を披露してくれたりしてるのに、演技指導にかなり難あり。。。
それを除けば、結構、楽しめます。財前直見は髪切りましたかね、性格も変わりましたかね。だいぶ暴走モード。オカマ枠は平田満からコロッケにバトンタッチし、オカマ演技をしていると時々、トシちゃんのモノマネをしているように見えてきたりもしつつ。というわけで、バカバカしい笑いあり、旅先の情緒あり。ラストのローカル線の駅なんかもいいですね、できればもうちょっと周囲の光景をカメラに入れてもらえたら、なお良し。
あと、同年の某作品と同じく、気になった点としては・・・まさか加山雄三、この程度の出演の仕方で、ギャラ受け取ったりしてないだろうな!ということですかね(友情出演、ってんだから、ノーギャラかな)