2.《ネタバレ》 今回はモロッコを舞台にしているが、ルパンがヒロインであるララと砂漠をラクダに乗って移動するシーンは絵柄もよく、印象的だったし、流砂での二人のやりとりも良かった。女性キャラクターの露出シーンが多いのも、子供に媚びず、あくまで大人向けのアニメを目指しているようで、今回、テレビスペシャルのシリーズの監督では今のところ唯一脚本にも参加している杉井ギサブロー監督はファースト以前のアニメ化企画段階に参加していたとあっていつものテレビスペシャルとは傾向の違う作風も納得。でも、全体的なストーリーとしては物足りない部分も多いのはいつものテレビスペシャルと同じ感じなのである意味安心。五右衛門と同門のオカマの殺し屋である貞千代を野沢那智が演じているが、やっぱり最初にアニメでこの人の名前を見たのがハイグレ魔王だったせいか、洋画の吹き替えではブルース・ウィリスやアル・パチーノのイメージがあるのに対して、アニメだとこういう役がよく似合うイメージで、この役もよくハマっている。ルパンの声がクリカンに代わって間もない頃の作品のためか、ルパンが物まねをするシーンが多いのも、シリーズ的には少し違和感があるものの、まだクリカンもスタッフも試行錯誤の中でクリカンらしいルパン像を作っていこうというのがよく見えて興味深い。昔リアルタイムで見た時はララを演じる久川綾が歌う主題歌をバックにララが踊るエンドロールがものすごく印象に残ったのだが、やはり今見ても今回はこの部分がいちばん印象に残る。(2018年11月8日更新)