1.邦画評論家ドナルド・リチーの追悼映画祭での一本として鑑賞。海外での数々の受賞歴は彼の働きが寄与しているのかも。
この作品が捉えようとしている世界観について予備知識のないままに観れた人は幸せなのではないか。少なくとも自分の場合はそうであった。妻百合子について描かれる姿が何を意味するのか、まったくの白紙の状態から思いを巡らすことができ、夫である孝と限りなく近い目線で百合子の言動を見つめることができる。観る者のその時の人間関係如何によってこの作品の捉え方は変わってくることであろう。時を経てまた鑑賞してみたい。
突貫小僧こと青木富夫の登場に気づけなかったのは不覚。寺島進については先日「ワンダフル・ライフ」という作品を通して触れたばかりでまだ初心者クラス。ただ本作によって気になる俳優として急上昇した次第。