1.《ネタバレ》 「まるだし」と「戦車」は先に見ていたのですが、そのイメージでこれを見てみると、随分とまっとうな人情コメディです。ただその中でも、冒頭の過去回想が単なる出会いかと思いきや結構な時間にわたり引っ張られて、それが後々随所で効いてくるとか、主人公が突然ふらっといなくなってまたふらっと戻ってくるとか、いろいろ丁寧でトリッキーな仕掛けも設けられています。そうそう、どう見てもそのまま寂れていきそうな離島が、まさかの本当に観光地化で賑わってくるなど、あの辺の視覚的印象もインパクト大です。岩下志麻のナレーションは分量的には多いんだけど、それほどしつこく感じないのが不思議。それくらい主人公の存在が突出していたということでしょうか(前作と後作に比べれば、まだかなり通常人ですが)。