1.《ネタバレ》 題材自体が既に暗いし、繊細なテーマを扱っているので、舵取りが難しい内容。
明るくもっていくと浅はかな話になってしまうし、暗いままでは映画として盛り上がらない。
だからこそ、先行きを敢えてぼかした必然的な終わらせ方。
この後、二人がどうなったかは明示されていない。
でも、こういう形でしか終わらすことができない。
そんな感じで、煮え切らない内容。
題材として、そもそも難しすぎるのだろう。
郵便配達の男のおかげで、女は少し立ち直った。
それだけなのかな。
人間として生きていく上で、大切な内容を語っているのだけど、映画としては難しすぎる題材で、不完全燃焼感は否めない。
印象に残ったのが、女が郵便配達の男の髪を切るシーン。
男は思わず女の胸元を見てしまう。
それに女は気付き、きまずいムードが漂う。
男と女であることを意識してしまった瞬間だった。
だけど、この男女は容易には付き合うことのできない状況。
そんな難しい状況を、うまく描いたシーンだ。
なんとも切ないシーンで、この映画を象徴するかのようなシーンだった。