30.《ネタバレ》 二次大戦太平洋戦線末期の「硫黄島の戦い」を、アメリカ側視点から描いた作品。硫黄島プロジェクト2部作の1作目で、2作目は日本側視点から描いた「硫黄島からの手紙」となります。もとより戦争は政治の道具なのでしょうが、政局の道具として利用し尽くそうとする政治家の思惑があり、その思惑に煽られた民衆がつくる戦争認識があり、その認識と戦場で実際起こっていることとの、あまりの落差に翻弄される兵士達の苦悩が描かれていきます。あえて日本兵の人間性をまったく描いてないのは、対となる第2作のためであることは十分理解できますが、それにしても、日本兵のやられ方があまりにパターン化していて、あたかもシューティングゲームの的のような、ワンパターンな殺られリアクションで、苦笑してしまいました。軍事戦略的な観点も含めた、戦争エンターテインメントとして、他では見られないような特異な地形の硫黄島での攻防は、かなり面白くなるはずだと思うのですが、アメリカ側視点だけだと、その面白い部分をあまり描けないというハンデがあって、その分、日本側視点の第2作に期待してしまうところですね。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2024-02-22 18:03:51) |
29.確かに英雄なんてそういうものなのかもしれない。 【TERU】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-10-09 13:31:26) |
28.硫黄島の方が、身近に感じるし、出来もいいと思う。その煽りをくって、評価は落ちる。登場人物の影も薄い。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2018-12-27 20:31:45) |
27.イーストウッドとスピルバーグのコンビだけに相当な期待をしましたが、残念ながら私はイマイチに感じました。もちろん戦闘シーンは完璧。さすがは軍事おたくのスピルバーグがついているだけあって、ビジュアルのインパクトだけでなく艦砲射撃や爆撃などの現実的な作戦もきっちり見せ、かつ当時の兵器も続々登場して戦争映画の醍醐味を味わわせます。残酷シーンも手抜きがなく、硫黄島の場面はスピルバーグが演出したのではないかと思うほど良くわかってる仕上がりです。一方で問題なのが脚本の構造で、戦争映画において時間軸を解体するという前代未聞の試みが完全に裏目に出ています。読書家のイーストウッドは、かねてから原作の改変をせずほぼ忠実に映画化する監督さんですので、今回の原作の膨大な要素を切り捨てることなく2時間強に収める苦肉の策として時間軸の解体を行ったのだと思います。複雑な要素をすっきり整理するにはエピソードのコラージュは確かに効果的ですが、それが機能するのはパルプ・フィクションのようにエピソードによって演出の色合いを変えることで観客の頭を混乱させないという手続きが取れる場合のみです。「兵士ひとりひとりの区別がつきにくい」という弱点を元々持っている戦争映画でそれをやってしまうと、「さっき死んだのは誰だったっけ?」という混乱が当然生じるのです。また、本作は戦場における死が大きなテーマですが、それを描く上でも時間軸の解体はまずかったと思います。死を悼む気持ちには2種類あります。他人だろうが何だろうがとにかく人が死ぬことは悲しいという倫理的なものと、親しい友達や家族が死ぬことが辛いという個人的な感情とです。そこに来て「仲間が死に行く中で偶然英雄にされた男達の苦悩」を扱った本作においては後者が強調されるべきだと考えられますが、時間軸の解体をやってしまうと各キャラクターへの感情移入ができていないまま「さっき登場したあの人が死にましたよ」みたいな描き方となってしまうので、戦場で多くの人が続々と死んでいくことのやるせなさは伝わりますが、かけがえのない仲間が死ぬことの悲しみは伝わりません。上映時間が3時間を越えてもいいから、戦場での友情ドラマをまずやって、そうやって観客達も好きになった戦友たちがどんどん死んでいき、にも関わらず本国へ帰ると英雄扱いされて戸惑うという正攻法な流れで描くべきだったと思います。 【2016/11/7追記】 ブルーレイで見直しましたが初見時と同じ感想でした。この内容ならば戦場場面と戦後パートは不要であり、戦時国債発行ツアーに焦点を絞ってもよかったような気がします。戦場の描写がほぼ皆無でもちゃんとしたベトナム戦争映画になっていた『ランボー』第一作みたいな作りにすればよかったわけですから(ただし、そうすると『硫黄島からの手紙』という副産物ができなかったのですが)。 また、ライアン・フィリップ演じる主人公ジョン・ブラッドリーの個性が薄くて観客にとっての感情移入の依り代になれていない点にも問題があったと思います。実際の戦場では使えなかった奴なのに英雄扱いにノリノリだったレイニー・ギャグノンとか、戦友達に対する敬意が大きすぎて英雄扱いに耐えられず精神を病んだアイラ・ヘイズとか、言うことを聞かない広告塔達をなだめながら国債ツアーを進めるキース・ビーチとか、キャラ立ちした登場人物が大勢いる中で、なぜジョン・ブラッドリーを中心にしたのだろうかと思いました。特にレイニー・ギャグノンとその婚約者の低俗さは最高で、この人物が国家と大衆に消費された後に落ちぶれていく様を描くだけでも、一本の映画として十分に成立したのではないかと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 6点(2016-11-09 13:10:28) (良:1票) |
26.以前映画館で見たが、テレビでやっていたので再見。 ヒーローを作りたがるのが、いかにもアメリカらしい。 戦争の資金集めに国債を買わせるための茶番に付き合う最中にも、 フラッシュバッグで仲間の死が蘇る。 ヒーローに祭り上げられた裏にあった生々しい戦争の真実が重い。 ラストの海辺ではしゃぐ男たちの姿が切なかった。 戦争ものの群像劇は、髪型や服装で区別できないので見分けがつきにくく、頭の中で整理できるまで手間取るのが難点。 一回見ただけでは、誰が誰だがわからなくて戦死のシーンにも感情移入がしにくいところがある。 【飛鳥】さん [地上波(字幕)] 6点(2014-08-13 01:19:53) |
25.私としては、「硫黄島二部作」を成立させるための作品、の位置づけなので、この映画だけを強力にプッシュする気にはなれません。あくまでも、「硫黄島からの手紙」とペアで、見てほしいと思います。それでないと客観評価は難しいかも。 映像は圧倒的で、できれば映画館で見てほしいタイプの映画です。youtubeなどで第二次大戦の資料映像を見ると、非常に緻密に再現していることがよくわかります。 それにしても、二部作と言う発想はすごいし、実現させてしまったパワーには敬服します。 同じテーマを両側から描くことで、初めて浮かび上がる全体像の真実がでるわけで、わかっちゃいるが、ありそうでなかった、それをやってのけた。大巨匠ですね。 単品なら6点。二部作と言う企画を評価して+1点。 【ひであき】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-15 18:46:26) |
24.《ネタバレ》 戦争シーンは短くまとめられているが、リアルさが凄く、恐ろしさが伝わってくる。 特に穴ぐらに隠れた日本兵が静かにアメリカ兵を狙っている場面は怖い怖い。 フラッシュバックによる時間の行き来は、下手に取り入れるとただ話が複雑に感じてしまうだけなのだが、イーストウッドの手腕か、この映画ではそれが逆に凄く効果的な見せ方として生かされている。 表向きはヒーローとして、だが結局は政治家達にただのプロパガンダとして扱われる主役たち。 国のために真実を打ち明けられないまま、戦場の実際の悲惨さを知らないアメリカ国民にヒーローとしてもてはやされるほど、戦地に残してきたままの思いが重くのしかかってくる。 戦争が終わり時間が経っても、彼らは戦争という十字架を背負ったまま余生を過ごしていく。 戦時中より戦後を重点的に、そしてアメリカの裏側をきちんと描くことで、 今までの戦争映画とは違う角度から、戦争の悲痛さを伝えることに成功していると思った。 ただ、ドキュメンタリータッチなのでしょうがないのかもしれないが、各登場人物の描写が少し弱い気がする。 アイラ以外にはあまり感情移入出来なかった。感情移入出来ないためか、中盤少し間延びした感があった。 1枚の写真に隠された真実を知り、戦争の恐ろしさを再認識することが出来たという意味では貴重な映画だが、 単純に1本の映画として見応えがあったか、後々まで心に残る作品だったかを考えると、評価が難しい作品。 ただ、この映画を観た後と、観ずに「硫黄島からの手紙」を観るのとでは、「硫黄島~」の見応えが大分変わってくる。クリントの意図通り、2本セットで観るべき映画。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-01-24 02:54:32) |
23.《ネタバレ》 国債を売るセールスマンにさせられた兵士の葛藤。これも戦争の一部ですね。 【東京ロッキー】さん [地上波(字幕)] 6点(2009-10-22 15:39:24) |
22.《ネタバレ》 いいとこで出てくる婚約者が、ワタシには一番きつかったなぁ。あんたは、そっと見守れよ。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-06 17:11:20) |
21.3人の性格とその後人生の展開がなんか見事なまでにリアルで面白かった。要は野心家でお調子者・実直で冷静・純粋で感情的の3者3様。これじゃあ友人関係は続かないだろうな。おそらくアイラに肩入れして見る人が多いと思うんだけど、こういう性格は結局は上手くいかないんだなと。一時はヒーローになっても、ヒーローで居られる時間なんて人生の僅かな時間だし、やはり人生は長いし現実は厳しいなと感じた。 硫黄島の映像は「手紙」で十分なのでポイントだけに省いて、あとは3人のその後の人生に焦点を当てて、どういう性格がどのように行動するとそのような人生が待っているのか?という事をもっと詳細に描いて欲しかった。夢がないけどね。 ところで私は米国債を買って、米インフレと為替レートを気にしてる。時代も変わったんだなと思う。 |
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20.シリアスな映画でした。硫黄島からの手紙より良かったです。 【エムシュー】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-03-02 20:03:29) |
19.本土が戦地となった日本とは違い、本土が戦いにさらされなかったアメリカを描写する上では本土の映像が長いのもうなずけます。でも場面の切り替えが多すぎた箇所はあったと思います。 残念ながら内容的には心に響くものはありませんでした。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-03 10:06:24) |
18.どうしてもプライベートライアンと比較して見てしまう自分を制しながら鑑賞。予想以上に面白かった。実際の戦場と戦地から離れた本国との戦争に対する感じ方のギャップが若い米軍兵士達の人生を少しずつ蝕んで行く様がよく描写できていると思う。”硫黄島”の方でも思ったことだけど攻防戦の規模がどうしても小さく思えて仕方が無いのがちょっと。 【おすし】さん [DVD(吹替)] 6点(2008-01-24 21:23:16) |
17.《ネタバレ》 国債を買いましょうとコーラスガールの歌が流れ、はりぼて製のスリバチ山に旗を立てる再現ショーを強いられるあたり、フェリーニだったら戦時下の民衆のグロテスクを哄笑するようにもっとコッテリ描いたとこだろうが、イーストウッドはなにしろ常に「悲痛」がベースにある人だから、若者たちのやりきれなさのほうに焦点が合う。はしゃぐことが悲痛につながっていくのは、すでに硫黄島へ向かう艦隊から海に落ちる兵士のエピソードがそう。意気込む若者たちの愉快な一挿話と見えたものが、自分たちが消耗品であることの自覚の始まりになる。笑いがしだいにこわばっていくあの描写に、戦場とそれ以外の世界との落差が、圧縮されて表現されていた。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-21 12:13:42) |
16.内容が面白くなかった。 戦闘シーンが主人公3人の回想という形で細切れなので、肝心の心理的な辛さが伝わってこない。 しかし、イーストウッドはきっと読書家なのだろう。 長い原作をまとめようと考えての構成だと思うし、同じく担当してた音楽の入れ方やシーンの繋げ方はうまかったのだが、、 終わってみて心に残るものが無かった。 時間が短すぎたのだろうに、飽きてしまって長く感じた。 【祥子】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-09-13 12:58:00) |
15.《ネタバレ》 星条旗と共に偶然写真に取られ、それによって彼らは英雄扱い。しかし”英雄”と呼ばれるのはいい事ばかりではなく苦労ばかりに思えた。そして、時代の流れによって忘れられていく・・・。アメリカの人間性が伺える。アメリカ万歳な雰囲気はそれほどでもなかったが、日本の立場が全くない・・・(硫黄島~のほうで日本側の視点になるがそれでも日本人がやられまくったり・・) あと、時代がしょっちゅう戦時中や戦後やその後や現代と変わっていくのでよく分からない部分もあるのが減点。 【ラスウェル】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-08-02 20:37:03) |
14.日本が占領地を拡張した為、補給が出来なくなってしまい玉砕された事が、見事に描かれておりました。良く出来た太平洋戦争の映画でした。 【SAT】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-17 22:51:58) |
13.この有名な写真画像をバニラアイスで模って、イチゴかチョコのソースかけて本人たちに食わせようとするのにビックリした。こういう無神経な国なんだよなアメリカって。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-06-17 22:24:21) (笑:1票) |
12.《ネタバレ》 私の判断基準の一つは『また観る気になるか?』だが、その基準に基づけば本作はダメですね。まぁ、スプラッタな表現が苦手なだけなんですが・・・ 着弾して首が飛んでくるシーンでげんなりした。 英雄を演じるのは疲れるだろうね。ましてやハリボテなら尚更だね。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-06-16 11:34:32) |
11.《ネタバレ》 日本側から見ても、アメリカ側から見ても、言える事はただ一つ。所詮戦争というものは、国のお偉いさんたちの都合で作られ、現場の人間のことなんてほとんど考えていないという現実。英雄なんて正当化するためだけに作り出された虚構なんだということ。必要な時は持ち上げ、利用し、不要になれば切り捨てる。しかし、前線で戦っていた者達は国のためではなく、仲間のために戦っていたとある。ココに関しては、国のため、天皇のため…と(大多数が)戦っていたであろう日本とは異なるのだと感じた。そんなアメリカ兵から見たら、「天皇万歳」と自害する日本兵は正にクレイジーに見えたに違いない。映画の内容に関しては「硫黄島~」が硫黄島での戦闘までを、「父親たち~」は戦争後に焦点を置いている。どちらが優れている、面白いかというのは個人によって異なると思うが、今作はあまりにもわかりにくい人物設定である。ストーリーも時間軸をズラしフラッシュバックすることにより、より複雑になっている。感情移入もしにくい。その点に関しては「硫黄島~」の方が好ましい作りになっていると感じた。 【グングニル】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-06-10 18:41:31) |