4.《ネタバレ》 悪くはないと思うが、やや物足りなさも感じる作品。
凝った映像は確かに凄いとは思うけど、ちょっと張り切りすぎた感もする。
また、意味不明な映像が流れて、「このシーンどういうことなの?」と思ったら、すぐにきちんと説明されてしまっているので、やや拍子抜けもする。分かりにくい映像なのだけれども、なんとか分かりやすく説明しようとしているので、中途半端に感じてしまう。才能はあると思うので、もっと観客を突き放してもよかったのかもしれない。本作は、「ついて来れる奴だけついて来い」というマニアックな映画ではなくて、凄い映画を作りたいけど全世界に向けた万人向けの映画にしなければならないという矛盾した方向性の基に作られていると思われる。
ストーリーは、バラバラになった複数の糸がラストでは一本に繋がるという展開を狙ったと思うが、セリフ(パラパラ漫画)や画像(ゲーム画面等)など方々で説明しすぎていて、単に緩んだ一本の糸の張りをラストで強くした感じしか受けなかった。
設定は、「X-MEN」そのままという感じがする。人間でありながら、特殊能力を備えた異種とは、まさにミュータントだと思う。光と闇の戦いは、X-MENとブラザーフッドの戦いに似たものだろう。闇のボスのサヴロンはマグニートー(雰囲気も似てるし、クルマをひっくり返すといったやることも似ている)で、光のボスのゲッサーはプロフェッサーX(どちらもハゲ)でしょう。どちらも二人の関係は親しいということも共通している。主人公はぱっとしないところがウルヴァリンに似ている。フクロウ女はジーン、デカイ男がサイクロップス(役に立たないところが似ている)で、金髪の女性はストームだろうか。それぞれの特殊能力もあまり活かされてなければ、使用する武器の貧弱さ、不幸な女のストーリーのあっけない幕切れ感などを踏まえると、原作・脚本がイマイチなのかもしれない。
本作は、ロシア映画ということもあり期待値も高く劇場で観ようと思っていたが、公開劇場の関係でDVDスルーしてしまった。次作が公開されればおそらく観るとは思うが、劇場で観るかどうかは微妙だな。