1.アメリカ消費社会の現状を、かなりシュールに描いたブラック・コメディ。そと面が普通な人々も、内面は全員が心身症か性倒錯者。家庭は既にメディアに侵略され、夫婦の会話もテレビCMのキャッチフレーズで代行する。金持ちでも偉人でもなく、「テレビに露出してる」ということだけがセレブの条件。一歩外に出れば、そこに溢れるのは自分達の生活の副産物・産業廃棄物。異常と正常の規範は無くなり、むやみやたらとカミングアウトして、ひたすら権利を主張することだけを是とする社会。God bless America! カート・ヴォネガットJr.の原作は未読ですし、確かに映画としての出来も余り良くないとは思いましたけど、この辛辣な内容だけで私は充分楽しめました。でもこの状況を、日本も笑って見てはいられませんね、6点献上。