1.《ネタバレ》 個人的には、ベタなのは問題ないと思うのですが、ここまで全てが予定調和だと観ている方は面白くありません。映画の6割は観客の想像に任せるのがふつうですが、この作品では僕ら側が想像する箇所があまりにも少なすぎます。幼少時代の女の子の演技が非常にわかりやすいので「あぁ、この子はこの少年が好きなんだな」とすぐにわかり、大人の状態では「あぁ、この子はまだこっちの男が好きなんだ」などと想像する点はいくつかありますが、それはまぁ、理解して当たり前のような部分なので微妙です。映画の面白いところは見る側の思い込みだとかをひっくり返してくれるような展開だとか、深い感情移入ですが、この作品にはのめり込むようなポイントがなかった。友達想いなのもわかる、人を好きなる気持ちもわかる。でも、だから何?何が言いたいんだ?この作品のストーリーならテーマやメッセージがあるはずだろう。でも、この作品にはそれが薄い。薄すぎる。友情のレベルも、ふつう、家族が息子を思う気持ちもふつう。それくらいするだろうな、というレベル。地上波のレベルではないだろうか、この作品の脚本。決してつまらないわけではないが、全てがあまりにもふつうすぎて、退屈だった。