1.《ネタバレ》 残念ながら想像を上回るほどの出来ではなかったです。セレブである父と娘の心の交流を描くという視点は面白そうだし、実際、映像も本当に美しくて息を呑みました。恐ろしい金を取られるんでしょうが、あのホテルには泊まってみたいです。女の子を綺麗に撮るのも本当にうまいですね、この監督は。
また、ちやほやされるくせに満たされない主人公の気持ちはよく理解できますし、お金はあるけど家族に恵まれず、寄る辺無さを感じる娘の心境も痛切でした。静寂のポールダンスや顔の型取り、誰からか分からない嫌がらせメールの齎す孤独感。名声を手にしながらも、「おれは誰でもない」と別れた妻に電話してしまう寂寥感。主人公の気持ちは他人事ではありませんでした。
しかし、もう少しお話(脚本)を書きこめたのではないかと。偶然、誰かと出会うとか、どっかに行くとか。何かほら。この映像の自然さが若干損なわれるかもしれませんけど、ほんと、もう少しでいいんです。お願いします。