11.公正を演じるニュース番組が実は社内の権力争いや資本間の動きと無縁ではない、というなかなかに自分好みのテーマなのですが、どうにも中途半端な印象を受けました。一旦は社会の動きを制したキャスターの喋りが抽象論議に向かうことやいんちきなテロ集団が、真剣さを薄めています。 華を添えるはずの浮気話も、予定調和と当事者が言うとおりの薄っぺらさ。 生じた困難さを打開するために暗殺って、ここまで来ると、製作事情に何かあったのではと勘ぐるレベルです。暗殺者二人はあの後どうなると想定された計画なのかを考えると、リアリティは薄まるばかりです。 まあ、飽きずに最後まで見られましたけどね。 【傲霜】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-08-25 09:48:18) |
10.《ネタバレ》 基本的に悪くないんですが、ビールの出ている番組は、ほとんどその出演シーンしか出てきません。そのためにリアリティが削がれてしまっています。ルメット監督によると、本作は「テレビ業界の内実を暴露したルポルタージュ」だそうですが、これでは大幅なマイナスでしょう。マックスとダイアナが引かれあったのも不明で、最後でマックスにダイアナを通してテレビ批判させるためだとしか思えません。非人間的な女性を用いた批判はストレートすぎて、かえって引いてしまいます。テロリストと手を結んだのも、業界のダーティーな面を捕らえたのかもしれませんが、最後の決着をつけるためではないかと思えてしかたがありません。テロリストがいちいち契約書をチェックするのは面白いですが。 あとは、会長が「国家よりも会社が重要」と説くあたり、予見的で興味深いです。しかもそれで洗脳されたビールが演説をぶち始めると、視聴率が下がり始めるというのが面白い。これは現代でも通じるところかもしれません。 本作最大の不満は、問題をテレビ制作側だけに絞ったところでしょう。しかしテレビの視聴率というものは、当然視聴者が必要です。つまりテレビに踊らされる視聴者にも問題があると思うのですが、そのあたりは深く追求されていません。窓を開けて次々と叫び出す人々はそれを象徴しているわけですし、かなりインパクトのある場面ですが、結局テレビの影響力の大きさを描くに留まっています。それに比べて最後のテレビ(ダイアナ)批判は容赦なく、テレビが諸悪の根源だと言わんばかり。視聴者=映画の観客に気を使ったかのような構図は生ぬるく、一面的にすぎないと感じました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-08 20:51:25) |
9.《ネタバレ》 唐突なエンディングはニューシネマ時代を感じさせますね。ルメット監督らしい人間模様の描き方は重厚でかつ皮肉的。TV視聴率に一喜一憂する「業界人」たちをF・ダナウェイはじめ多くの実力者達が熱演しており見応えがありますね。でも肝心のTVショーの内容がちょっとピンと来ない…当時のアメリカの世相を反映してるんでしょうけど。。。ソコラへんがいまいち乗りきれなかったかなぁ。そんな印象でゴザイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-01 09:05:46) |
8.ごめんなさい、正直ピンとこないのです。番組を下ろされることになったキャスターが、精神に異常をきたし、常軌を逸した言動を繰り返して、逆に出演番組の視聴率がウナギ登りになっていく・・・、というオハナシなのですが。しかしこの番組、ちっとも面白そうじゃないんだけどなあ。この辺りからしてどうも誇大妄想的に感じられちゃう。もっとも、作品の主眼はこの番組を描くことではなく、その背後にうごめく人々の姿を描くことの方に置かれている訳ですが。いやどうせテレビの裏側なんてそんなもんだよね、と誰しもが訳知り顔に言いたくなる、でも結局はテレビに乗せられてしまう。そう言えばこの映画自体も、“惨劇を報道するニュースショー”で締めくくってみせるあたり、「この作品だって“ショー”なんだよ、見世物なんだよ、作りものなんだよ、“裏側を描いた”この作品を観たからといって真実を見抜いた気になっちゃいけないよ」と警告しているかのような。 ところでこの作品で「時の人」となるキャスターは、ファナティックなキャラで、そういう人がカリスマになるってことがピンとこない点でもあるのだけど、妙な人物がカリスマとなって社会に君臨しちゃう、ということ自体の恐怖というのは、むしろ今の方がずっと大きくなっている。それは多分、カリスマ本人よりも、その信者の発言力が、このネット時代において極めて強いものになってしまっているから。野沢尚の『砦なき者』なんて結構リアルに感じてしまう。この『ネットワーク』という作品は、仕掛け人たちが、自身が振り回されつつも事態を何とかコントロールしちゃうオハナシだったけど(ブラックなオチが待ってるんだけれど)、これからは、もう真にコントロール不可能な時代が待ち受けている。のかも知れない。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-05-17 00:32:19) |
7.2011.12/7鑑賞。もう一つ好きになれない。前半のニュースキャスターが復活し人気者に成るまでは良かったが,新たに過激派の武装テロリストの犯行ビデオ等に至るとついてゆけない。盛り沢山過ぎる。でも実力派俳優たちの競演にはビックリ!! 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-12-09 19:03:11) |
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6.前半のスピード感と迫力はすごかった。やや中だるみがあった後、後半の崩壊へ繋がる。公開された当時のアメリカがどんな状態だったのか知りませんが、結構満たされていたのでしょうか。そうでないと、あんな演説はできないんじゃないでしょうか。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-04-30 18:29:54) |
5.「ブロードキャストニュース」に業界裏話的辛辣さが足りなかったっていう方には、こっちのが向いてるかもしれないですね。フェイ・ダナウェイが時代を象徴する女優だった時期の最高作。出来としては優れていると思うけどあまりのえげつなさに少々辟易。えげつないのは嫌いじゃないけど、コレは自分好みじゃない種類でした。ホールデンの老けこみようには唖然ボーゼン。ダナウェイ女史が80年代に入った途端、急速に影が薄くなってしまったのは何が原因だったんですかねえ・・・? 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-30 17:30:29) |
4.濃いキャストに濃いキャラ、そして派手な展開なのに、ルメットの抑えた演出が現実感を損なうことなく、いっそうの空恐ろしさをかもし出すのに成功している。テレビ業界の視聴率至上主義の内幕という内容は、テレビ出身のルメットにしてみたらオチャノコサイサイってところでしょうか。ただ、怒りの代弁者として復活したキャスターに呼応するように街じゅういたるところから視聴者の怒りの叫びが響き渡るシーンは現実的じゃない。そもそも現実的にする必要もなくて、もっと派手な演出でブラック・コメディにしてくれたほうが個人的には良かったかも。“社会派”の名手としてのレッテルが許さなかったでしょうが。蛇足ですが、そう言えば日本の「ニュース・○テーション」が放送開始されたころ、アメリカではキャスターが自分の意見を述べるなんて考えられない、というのを聞いたことがある。きっと現実と報道内容とのギャップにストレスを感じるキャスターっていたんだろうなぁ、とか考えちゃいました。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-07-19 18:12:49) |
3.オスカー俳優が出席できない怖い作品となりました。 このドラマの筋書きのように・・ シドニー・ルメットの辛らつな社会派映画なのですが、 なぜアカデミーを取った俳優が出席できないのか。 それは有名な話なのですが、これにふれると映画がつまらなくなるかも。 まさに「映画のとおりの出来事です」 長い歴史の中で本当のサスペンスはこれでしょう。 その恐ろしくテンポのよい怖いこの作品を気に入ってたんですが、 やはり怖くてビデオを消してしまいました。 でもDVDでまた欲しいような気もするんだけど・・ これを見て本当のことを知ると、すべてのサスペンスさえ嘘のように思える。 採点が厳しいのはそれもあるけど、実は気になる作品。 【アルメイダ】さん 6点(2005-02-25 07:03:52) |
2.究極のヤラセ番組ができるまでを描いた作品としてまあまあ面白いのだが、失楽園部分が作品のテンポを悪くしている。でもテレビ業界って規制に守られた競争のない業界なのに、なんであんなにヤラセがあるのかね?視聴率なんで所詮局内の自己満足のバロメータって事でしょう。 |
1.やばいっすよ。失神するまでわめきちらしたら。自殺宣言したら。そして・・・・・・。ここでいうネットワークはTVネットワークのこと。視聴率という悪魔と、煽動という魔法が、じわじわと市民を蝕む様子がよくわかる。 【あでりー】さん 6点(2003-03-31 01:44:14) |