3.《ネタバレ》 戦闘機のドッグファイトのシーンで、ふと気づいたのが、CGで描いた戦闘機の動きがリミテッドアニメのようにややカクカクしていること。CGなのにセルアニメの動きの「味」を出そうとしている。
最近の別の名作アニメのリメイク作品では戦艦の動きがいかにもCG特有のスルーっとした動きなのが違和感があった。
CGと従来のセルアニメの違和感を払しょくするために、CGのコマを落とすということは理屈としては難しいことではないと思っていたのだが、何故誰もやらないのかと思っていたら、見事にこの作品が試みていたことが実に嬉しかった。
キャラクターも全てCGで描かれているらしいが、この動きの考え方ひとつとっても、CGの使い方の可能性を感じた。
肝心の内容だが、あまり過去の作品に思い入れがないので、この作品単体で考えれば楽しめました。
しかし、神や天使と、テロや武器商人を結びつける構図は、監督が頭の中で構築した理論が空回りしている感じがして説得力に欠ける。
セリフ以上に、この理屈を絵が物語っていない感じがするのが残念だ。これは絵が緻密であるといった技術論と別の問題である。
やはり娯楽アニメとしてシリアスであっても爽快感やユーモアは欲しかった。
そう、今の映画って視覚的な刺激は強いが、特にユーモアの感覚がものすごく欠けていると思う。(単純にギャグっぽいセリフを言うという意味ではありません)
全ては表現のための技術であるが、この技術の志は高く評価したいです。