1.《ネタバレ》 主役の彼の熱演は悪くないし、
加害者と被害者の関係性という深淵なテーマを
題材にしているので、見応えはあると思います。
特に、実際に強盗殺人を犯して子供をさらい、
そして事故に遭う一連のシーンはよく出来ている。
ただ、良くも悪くも直球なんですよね。
前半を使って、それぞれの置かれた状況を
じっくり見せて、後半の展開でやるせなさを
しっかり見せつける。そういう作り。
ハラハラさせるサスペンスみたいのを期待してみると
肩すかしです。
ラストのテロップを見ると、被害者と加害者を
面会させるほうがいい結果をもたらしますよっていう
内容なんですが、その是非はともかくとして相手を
理解することは重要だという、そういうメッセージは
よくわかります。加害者の彼も、実際には
ハプニングで銃を撃ってしまい、そして男の子を
すぐに解放しようと、そして救おうとしていた。
でもそれを証明出来る人は誰もいないわけです。
2人を殺した強盗殺人と聞けば極悪非道そのものですが、
彼はそういう奴じゃない。それを理解してあげるのも、
そして加害者が被害者の人となりをちゃんと知って
謝罪の気持ちを喚起させるのも、何事も「理解」が
大切だなと言うことですね。