1.《ネタバレ》 「当時は異宗とされて迫害も受けていた日蓮宗の始祖」ということは知っていても、それ以外のことは知らなかった日蓮の伝記もの。青年期からの一生を(回想も交えて幼少期も絡めるなどして)丁寧に追っていますが、限られた時間の中なので、例えば流罪にあった→えっもう戻ってきたの、みたいないきなり高速度な場面もいくつかあります。ただその中でも、「とにかく法華宗を全国に広める」という生涯の目標は一貫されていますし、また、歌舞伎で鍛えた錦ちゃんの力強い発声は、辻説法で人々の心を捉え、最高権力者の執権相手でも平然と対峙した主人公にぴったり合っています。難点は、序盤と終盤に顕著なナレーションがものすごく邪魔なことと、この豪華キャストの使い方が超雑なこと(そこそこ出番があって物語上の存在の意味があったのって、松坂慶子と田中邦衛くらいでは)。