1.《ネタバレ》 中国の地方都市の「格好をつけない」雑然とした雰囲気、というのは中々に物珍しく、本作ではそこにリアリティやある種の凄みまでが感じられ、偶にはこーいう映画もやっぱり全く悪くないな、とその時点で思ったのですね。もう一個、こーいう言い方はちょいアレかも知れませんが、リャオ・ファンの脂ぎってる感じや女性の扱いが雑なの(ややセクハラ気味、というか)なんかも、如何にも中国ぽいなあという感じでここにも少し新鮮味(+一種の感動)を覚えたとゆーか。
まあでも本作は、そーいう少しばかりの「中国の底辺」的な濁々とした質感の中に、一刀切り込んで来るグイ・ルンメイの透明感ですよね。どー見ても彼女は「只者ではない」のだし、その透きとおった彼女が結局は黒幕なのですから、ノワールとしては(もしかしたら「最初から明白」なのかも知れませんが)その時点でコンセプト勝ち、と言っても過言ではないと思います。彼女の存在だけで観る価値とゆーのは間違い無く十二分かと。
ストーリーの本筋の部分と、あと随所の演出にも若干の分かり難さが在るのがやや玉に瑕かも知れませんが、個人的には好きな作品です。