2.岩井俊二監督の“絵コンテ”をそのままアニメーションにしたような映画だった。
正直なところ、アニメーションとしては稚拙だし、二次元のキャラクターに情感が溢れているとはとてもじゃないが言い難い。
紡ぎだされる物語自体も、随分とチープで散文的と言わざるをえないだろう。
何の思い入れもない人が、この作品を単体で観たならば、酷く退屈だろうことは否めない。
でもね。“一部”の人は、どうしたってこの映画を無下に否定することなど出来やしないと思う。
アニメーションであれ何であれ、再び「花とアリス」の世界観をスクリーンで堪能することが出来る。
その事実だけで、高揚感と幸福感を感じずにはいられなかった。
10年の時を経て、岩井俊二監督のもと、蒼井優と鈴木杏をはじめとする演者が揃い、同じ息吹を届けてくれた。諸々のセルフオマージュも含めて、この映画監督のファンとしては頬を緩めずにはいられなかった。
一つの映画として、決して優れた作品ではない。僕自身、想定よりも随分と満足度は低かった。
でも、また“彼女たち”に会えた。それだけで、僕はうれしかった。
今作の鑑賞直前に劇場版を鑑賞し直したが、今作を観終わった後にまた観たくなった。
“Web版”と“劇場版”と“殺人事件”を同封したコンプリートBOX出ないかな。絶対買うけど。