1.《ネタバレ》 真実 (門脇麦) は思った通りの不思議ちゃんでしたが、お父さん (マキタさん) も天然ぎみで少しピントが外れてるのが笑えます。出だしの二人のやり取りからして、かみ合っているようでかみ合っていない感じで、ニヤニヤしてしまう。 本作は、彼女の引きこもりやコミュ障をテーマとはしているけど、この映画ではそれを障害ではなく「個性」と言っています。全体的に脱力系な空気が漂っていますが、それは彼女の目線で見た世界がそうだから。彼女はその世界にいるだけで充分に幸せなのに、家族や社会がそれを許しません。彼女は戸惑う。でも「ゲーム」(のバグ探し) や「サバゲー」は想像世界の疑似体験 (のようなもの) であり、つまり彼女からすれば、これから一般社会で生きていくための予行練習。そして、彼女はそこで生き抜くための「イラスト」という強力な武器を既に持っていた、、というお話し。 障害や個と社会のコミュニケーション不全、というテーマではありますが、彼女が「殻」を破り、一般社会というバグだらけの世界に踏み出すまでの疑似RPGとして描いているのが、本作が斬新で面白いところ。 もちろん、これを観ている (彼女とよく似た) あなたにとっても、これは真実 (しんじつ) のストーリーになりえるかもしれません。