2.《ネタバレ》 結局この映画を一本見てもディック・チェイニーという人間はよく分からなかったなあ。冒頭でわざわざ断っている通り、米国政治家の中でも秘密主義な男だったのだろうな。
政治手腕は非情で辣腕、一方で家庭人としては申し分のない良き夫、父親である描き方です。娘らからも愛されているところをみると、レーガン家とはだいぶ違うのな などと関係ないけど頭をよぎりました。
タッチとしてはリベラルではありますが、コメディなのかもう少し真面目な風刺なのかあるいはもっと熱を込めて官僚的な副大統領の越権とも思える行為を糾弾したいのか、その辺の立ち位置がはっきりしない描き方です。なので観ているこちらはむしろハイレベルの‶そっくりさん大集合”に目を奪われます。ライスからパウエルから、ハリウッドの人材の豊富なことったら。ブッシュ(息子)に似ていると思ったこともないサム・ロックウェルの擬似ぶりにはその内面の演技も含めて感心しましたねえ。ブッシュ(息子)っていつもこんな描き方(阿呆っぽい・わかってない・器じゃない等)されるなあ。きわめて真実なんだろうなあ。
そして圧巻はやはりカメレオンC・ベール。もうこの俳優が元々はどんな顔カタチだったか忘れてしまいました。