2.《ネタバレ》 男女二人の出会いから別れまでの日常が2時間
の中に淡々と描かれているだけではありましたが、嫌味のない二人
の若い俳優さんたちの嫌味のない演技により、長い割にはそれほど
飽きはしませんでしたけど、それほど泣けもしませんでした。
この手のお話に感情移入するには我ながら老け込んでしまったようです。
ああ、最近の若い男女はこういう形で付き合うのかあ、随分と健全です
けどどこか老成してますねっていう感じでした。
自分の若い頃は若者はもっと危なっかしく、青臭く、背伸びをしていた
と思うのですが、イケイケだったバブル時代を経験したことがなく学生
の頃から就活で鍛えられると、こういう堅実で現実的な生活志向になる
のでしょうか。
いずれにしても今観るとコロナ禍前の悪い人は一人も登場しない平穏な風景。
こういう時代に再び戻ることができるのだろうか。
二人が口にした文学、映画、音楽の固有名詞で既知なのは村上龍
ぐらいで、あとは全く知らず、映画館の中ではありましたが、いち
いちググって調べてしまいました。年とともに若者文化の流行に疎く
なってしまった自分を感じたことが一番心に残りました。
ラストで二人とも後ろ向きに手を振るシーンは、お互い見ていないわけ
で、ちらっと振り向かせても良かったのではないでしょうか。