9.《ネタバレ》 内容だけじゃなくセリフの面からこれはもう地上波じゃ絶対に放送できないし、昨今ではBSやCSでもお目にかかることがないですね。小林克也はこれが映画初主演で、もしこの映画をリメイクするならお父さんは本田博太郎というイメージですが、本田と違って小林には狂気を微塵も感じさせない平凡さが濃厚で、かえってこの方が面白いキャスティングだと思います。低予算を逆手にとって登場人物はほぼ5人だけ、また浦安の新興住宅街にセットを組んで撮影してますが、この住宅街が映るカットには他の住人や車がまったく存在せず、製作者が意図する疎外感が肌で感じられるような仕組みになっています。中盤以降は本当に家族で殺しあうんじゃないかとハラハラするような展開、もしそうしていたらスプラッター・ホラーという全然別のジャンルになっちゃうんで観ていてそれはないだろうと察しは付きますが、そういう感じのホラーは最近のフランス・スプラッターにはありそうですね。もしそうするなら、倍賞美津子ほかの家族が精神病を患っていると思い込んでいた小林克也だけが本当に狂っていたとする脚本が王道ですが、どう見ても女房子供もやはりおかしいというのがこの映画の独特のテイストなんでしょう。ラストの平穏もハッピーエンドというよりも悪夢ファンタジーと呼ぶほうがふさわしいのでは。 こんな超オフビートなお話し、原作が小林よしりんだったとは驚くところでしょう。いまや政治の世界に中途半端に首を突っ込んでいる人ですが、かつては『東大一直線』とか『おぼっちゃまくん』といったシュールでパンクな作品の人だったことが懐かしい。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2019-02-19 23:58:35) |
8.《ネタバレ》 劇画的に汗がタラーッとなるアップ、お父さんが風呂の湯垢を掬っているカット、広角レンズで街を走りシロアリ駆除液買って地下鉄の中を進み、夕景の中チャリンコ飛ばす。ここらへんイッキの勢いでよかった。このままスラプスティックに徹してくれればもっと良かったんだけど、社会批評的なものが紛れ込んでしまう。妻の描き込みが足りない。あの人だけがときどき「裁く人」になってしまう。小林家崩壊のシーンは、スローモーションにしないと安っぽくなってしまうからなんだろうが、あの手のスローモーション自体がそもそもセコい感じが匂ってしまう。協力のところに「日本シロアリ協会」があったのがウケた。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-06-30 09:57:22) |
7.新築マイホームと家庭をぶち壊したいという熱意は伝わってきました。役者の熱演と破壊活動を楽しめますが、自由度が高すぎてなんのこっちゃですな。楽しめた部分も多いのですが、ブチキレ映画としてはどうも中途半端で、作り手の理性的な部分が見えてしまうのがノリきれなかった原因かな。ここまでやるならスプラッターにしちゃえばいいのに、って思ってしまう自分もどうかと思うが。有薗芳記の目つきがヤバイ。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-04-18 21:53:40) |
6.この映画、ウチの近所のビデオ屋で「迷作コーナー」という所に置いてありまして、他にそこのコーナーに並んでるのは『シベ超』、『北京原人』とまさに迷作の数々。なのでこの映画にはある種の期待を抱きレンタルしたのですが、そんなにヒドくなかったです。小林克也の壊れっぷりが面白かったなぁ~~ |
5.この頃の石井監督はパンクでアナーキーで破壊的、破滅的なムチャクチャな映画ばかりでした。しかし「高校大パニック」を超える作品は未だにない。マイホームを持つという幸せの物質的な価値観ばかりで、家族としてつながりのある内面的なホームが無くなっていったのが80年代でしょうか。 【亜流派 十五郎】さん 6点(2004-01-14 20:25:12) |
【たましろ】さん 6点(2003-10-17 00:25:04) |
3.当時は大好きな作品だったけど、その後の小林よしのりの醜悪化を見た身としては、今や笑えないかもしれない。植木等氏に「やらせた」右翼じいさんの姿が、今のよしりんに被って見えてしょうがないのだw 【柿木坂 護】さん 6点(2003-09-28 18:31:55) |
2.今観るとこんなんだっけって思ってしまう。当時は結構センセーショナルで話題だったんだけどね。あのお兄ちゃんもこの頃良く映画出てたんだけどいまなにしてんの? 【木根万太郎】さん 6点(2003-03-10 13:03:59) |
1.英会話といったらこの人、小林 克也主演。石井 聰互による気狂い家族の殺し合いと絆のロックンロール。有薗 芳記のクレイジー演技にびびりまくった一作。 【本間】さん 6点(2002-11-14 18:53:18) |