9.このシリーズには女性が犯人の作品がいくつかありますが、警部はいつも紳士です。
売れっ子の老推理作家を魅力いっぱいに演じたルース・ゴードンがいい。
犯人vs警部の息詰まるような攻防も無ければ、ユーモラスな警部の行動がもたらす笑いドコロも少なく、
彼女のキャラクターもあり、サスペンスよりは、終始穏やかな空気が流れる作品です。
いきなり警部が講演会でスピーチすることになるくだりは面白かったですけどね。
犯人と警部の穏やかなやりとりの中に次第に警部が犯人を追い詰めていく、これはこれで味わいがあるのですが、
やはりこのシリーズは見応え、面白さという点では社会的地位もあり野心家で自信家の犯人と警部の
知恵比べや息詰まる攻防がある作品の方に分がありますね。
あと、被害者のクルマのキーを握っている秘書にもう少し役割を与えてもよかったと思います。