5.邦画評論家ドナルド・リチーの追悼映画祭での一本として鑑賞。企画として名を連ねる今村昌平、そのブランドに見合ったさすがのドキュメンタリー作品。
奥崎謙三という類まれなる人の言動を通して、観るものの善悪の判断基準を思いもよらないところから揺さぶってくる。一方で「価値観を押し付けて、その考えになびかない者に対して威圧的態度をとる」というのはそれこそ当時の敵国の今の姿に重なってみえてくるのが皮肉なところ。今回観客席にいたのは「白豚」側の人達。鑑賞後は意見を交わしたいような、交わしたくないような複雑な気持ちであった。マイケル・ムーアは本作を絶賛しているらしいのだが。