2.《ネタバレ》 妻投稿■中国と言えば毛沢東、チャイナマネー云々といったイメージがあるが、この映画は初っ端の「毛沢東知らない」の台詞でそれらを排除。よくイメージされる現代中国とは違う「もう一つの中国の世界」を描いたんだと思う。この映画は「純粋」「健気」な社会を不自然で偽善的なエピソードに頼らず描き出している稀有な映画。「迫力」と言う意味では似たような設定のトンマッコルとは格が違う。「のどか」「癒し」というキーワードに「甘え」ではなく「迫力」を与えるなんて、かなり凄い映画じゃないだろうか。旦那の友達が戦争があったバルカン半島の国に行ってきた人がいるが、「向こうの女性の大半が強姦され子供を産まされていたような国のラブコメドラマは、設定は日本の下らないドラマ以上に下らないが、下らない物事に対する意味の与え方が凄い」と言っていた。これはそういう映画なのではと思う。ラストの方で傷ついた羽を背負ってがけを登るシーンから日本の通勤電車風景にガラッと変わるシーンで私は確信した。■でももう一つ言わせてもらえれば、こういう世界、地球上のどこにもないです。映画の題材としては穴ぼこチーズのような厭らしさがあると思う。