17.《ネタバレ》 ここのところたくさんリバース・ムービーを観ているので、
たいして目新しく感じなかったのが残念。
先にコレを観ていたら・・
リバース=タイムスリップとも取れるんですが、
その世界を見事に描いているなぁと感心しました。
この映画ではタイムトラベルというマジックは、
人間が産まれる前にまで遡ってやがては存在が消滅するまで。
そのブラック・ホールは黄泉の世界へと続いており、
もちろん生きている人間は行ったことのない未知の世界。
帰ることのない片道切符。
だから今の時代の人には二度と会うことができない・・
とても不安でひとりぼっち。
そう、タイム・トラベルという手法はただのたとえ。
逝く前の不安や恐怖はテラピストの講習を受けても消えない。
消える未来に逝くのではなく消える過去に逝くのだとしたら、
もしかしたらその道や時間は不安ではない。
道連れの映像は自分が生きてきた道だから。
その世界だけ堪能して、
あまり内容のややこしさは考えずに観ました。
ややこしいのは当たり前で、
あるステージをきっかけに内容はわけがわからなくなります。
過去に戻ろうとしている記憶と今の自分に有利な記憶が、
ごっちゃになって客観的に観ているものには理解は難しい。
鍵は結構たくさんあるので、
この作品にリピーターが多いのもうなづけます。
冷蔵庫の扉やら家族の会話やら死神オババ・・
案内人は「不思議の国のアリス」のように、
ウサギです。
しかしこのウサギがかわいくはありませんので・・
穴、郵便受け・・自分探しの旅と、
「ソフィーの世界」も入っていますね。
「死霊のはらわた」と「最後の誘惑」の2本立ての映画を主人公たちは観るのですが、
この2本ともホラー2本立てというのは??(最後の誘惑も?)
死霊のはらわたはご存知サム・ライミのゾンビ・ホラーですが、
最後の誘惑はスコセッシのイエスがもしも生きていたら?という、
こっちの映画のほうがかなりドニー・ダーコに近い世界があります。
イエスが自ら望んで処刑され、
息絶えるまで(もし生きていたなら)という夢を見るかなり私はお勧めの映画。