1.《ネタバレ》 ヌーヴェル・ヴァーグに影響を与えたと言われているらしいが、先に戦争を描いた3作品を観た後では、倦怠期の夫婦のドライブという地味な流れは物語上の抑揚が当然なくかなり退屈に感じた。車から見える風景や訪れる博物館や遺跡がバーグマンの心情を映し出しているのだが、バーグマンの独り言や表情がそのことを補填していて解かりやす過ぎるのも不満。それでも『ストロンボリ/神の土地』のように原因が描かれているわけでもない、ただひたすらヒビの入った夫婦関係を映しているだけなのに映画として成り立っているというのが凄い。そして修復不可能に見えた夫婦の絆の復活だけが実にドラマチックで感動した。