1.《ネタバレ》 アントニオーニの映像の世界にどっぷり浸れます。オープニングの病院のシーンもいいし、富豪邸のパーティーの後のシーンのどれもが印象深い。人間が人間らしくあるが故の、痛いところや寂しいところがヒリヒリ沁み込みんでくるようで、ラストのマストロヤンニの押し倒してのキスの雨には、まるで我がことのようにハッとさせられました。
それにしてもマストロヤンニもジャンヌ・モローもまったくオイシくない役柄のようで、ある意味主役二人が汚れであり、言い換えれば流石に巧いです。反面、モニカ・ヴィッティは登場シーンが少ないながらも魅力全開で、最後の足で電気を消して、パッとシルエットに変わるシーンはあまりにも出来すぎですね。