6.入りのリズムも良く、静かな庭→縛られている家人たち→女中の体当たりで倒す障子→かくれんぼをしている女の子→天知茂、とそつがない。全体悪くないのだが、敵役が「最初は世直しを計画していた一派」というひねった設定で「真っ黒な悪人」でないのが、感情的に一筋にまとまりづらく娯楽作としては難点。と思って製作年を見ると66年。う~ん、微妙だ。もしや当時の学生運動をダブらせていたかと思ったのだが、どうだろう。たしかにいろんな大学でくすぶってはいたようだが、それに注目が集まるのは翌67年の羽田闘争からだ。それにこういう原作もののシリーズは、どこまで当時の脚色者の自由だったか不明。でもあの天知の「正義のためなら町が火の海になっても仕方がない」というスタンス、やがて無差別爆弾闘争に煮詰まっていく若者像に重なって見えないでもない。かつてサイレントの傑作『忠次旅日記』で徒党が煮詰まって滅んでいく悲劇を描いた伊藤大輔の脚本ということで、新左翼の未来を予見したか、とも思ってしまった。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-11-06 09:43:56) |
5.《ネタバレ》 二転三転する展開や敵が円月殺法の使い手という展開は面白いのですが、西部劇嫌いの私には、こういう一匹狼が悪を倒して万々歳という話は少し辛かったです。あと作中最強の眠狂四郎が落とし穴に引っかかる場面はちょっとダサ過ぎ。 【民朗】さん [地上波(邦画)] 6点(2010-03-13 11:13:13) |
4.ううむ・・・単純な娯楽時代劇で、特別目をみはるべきものはない。 市川雷蔵の美しさのみにインパクト。 藤村志保は苦手。 “ニヒル”天知茂も、雷蔵の前には霞む。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-14 21:33:57) |
3.《ネタバレ》 驚いたことに狂四郎がまとも。いたって真っ当です。女に非道を働く奴は許せんとか言うし。他の作品では自分が一番非道なんですが。殺陣もそこそこ見所があり、最後の天知茂との円月殺法同士の戦いはシチュエーションとしても面白い。ただ、作ったおもちゃを油屋の子供に渡す約束だったと悔いるのは取って付けた感満載。その子の家の油蔵を爆破しといてそれはなかろう。他にも説明台詞が多く、しかも連続するなどあまり上手くない部分もあるが、中々楽しめる作品だった。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-09 21:22:27) |
2.シリーズ他作品は未見ですから明言できませんが、やっぱり悪役がいいと主役も栄えますね。うたい文句通り、主人公の影。剣の流儀だけでなく、自らの正義を信じて誇り高く闘う彼の姿は狂四郎に重なるものがある。敵役ながら卑しい雰囲気がまったくなく、もう一人の主人公と言えるでしょう。とくにあの子供との交流がいい味わいを出していたと思います。最後はあっけないと感じましたが、考えてみればあれ以上続けたら野暮かもしれません。 【no one】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-01-08 09:47:53) |
1.さすがに三隅研次監督。屋根から雨のように落ちる竹の人形、そして炎に妖しく照らされる月・・・。うん、どの瞬間を切り取っても美しい。一揆とか長屋とか江戸の庶民の生活が感じられるのもまたいい。 ただこのシリーズを観たのは二本目、やはり円月殺法の利点が分からない。しかも二人して。 全裸で川にダイブしていった女の姿が脳裏に残る映画。 【紅蓮天国】さん 6点(2004-09-07 04:10:01) (笑:1票) |