2.《ネタバレ》 両親の離婚を受け入れられない小学6年の少女。
懸命にあれこれ抵抗するが、両親はもてあますだけ。
風呂場に立てこもるレンコの前で、両親が言い争う場面。
なかなかわかりあえない気持ちが、もどかしい。
揺れる少女の心理と成長が、相米監督によって丁寧に描かれる。
テーマはありきたりだが、普遍的なもの。
地味な映画だが、じっくりと観させる。
終盤、幻想的な世界が展開する。
そこで、少女は昨日までの自分と決別する。
残念だったのは、幻想やらメタファーやらが目に付く映画は、個人的に相性が悪いこと。
そのせいか、自分の中ではラストにかけてやや失速した感が。
少女が成長したことは伝わってくるが、どうして急に両親の離婚を受け入れたのかがよくわからなかった。
幻想やメタファーに誤魔化された気になる。
デビュー作となる主役の田端智子がいい。
田中麗奈もデビュー作でそうだったが、セリフは棒読みなのに、不思議と自然体の存在感が光る。
替えの効かない重要なピースとなっていて、そのキャストがあって初めて作品が成立するほどにハマっている。
これはもう、天賦の才だろう。
それと対照的なのが、母親役の桜田淳子。
人気絶頂期の主役で見せた演技は、どうしようもないほどわざとらしくて見ていられなかった。
ところが、久しぶりに見かけた本作では、見違えるようでビックリ。
よっぽどの努力が察せられて、感心してしまった。